12月30日、皆さんのお宅ではお餅つきや大掃除、大忙しと思います。私は出版社に待たれている書物の原稿書きです。『水と生きる地域の力―琵琶湖・太湖比較から』の総仕上げ。琵琶湖博物館の楊平学芸員が主筆で私はその補足著者です。目の前に水位が回復しつつある琵琶湖を眺めながら、琵琶湖総合開発前の琵琶湖辺の水田に魚が溢れていた高島市針江の水と魚の物語と、中国長江下流部の太湖周辺での「魚米の郷」の物語の比較研究を書いています。モンスーン気候の元での魚と米の生業複合のあと、近代化で水陸分断の流れが進むありさまは、体制の違いをこえて、中国と日本で驚くほど似ています。自然を制御し、近代化で水をコンクリートに押し込めようという政策哲学は日中共通のようです。お正月中に原稿仕上げをがんばります!!12月30日。
今日は、『流域治水がひらく川と人の関係―2020年球磨川水害の経験に学ぶ』の紹介を地元、熊本日日新聞の木村八代総局長が紹介くださいました。木村記者とは、1990年代に川辺川調査に行き始めた頃からのお知り合いです。今回、溺死者をひとりずつ訪問して徹底調査が可能となったのも、熊日新聞が被災者の個人名を被災直後の7月18日にすべて公開し、人となりの紹介記事をかいてくださったからです。
「個人情報保護は大切だけど、犠牲になった皆さんのお一人おひとりの人生に敬意を表させていただき、公表しました」と熊日新聞の論説委員のご意見でした。それだけに、溺死者の犠牲に報いるだけの政策を今後すすめないといけません。ただ、熊本県も国も、溺死者調査を今後進めてほしいという地元の皆さんの要望に、「調査の必要はない」という回答です。ハードの施設だけつくって溺死者がなぜ亡くなったのか、個人的社会的背景を調べようとしない行政の姿勢にはやはり疑問がわきます。
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「流域治水」住民主体で 参院議員・嘉田さん、提言を本に|熊本日日新聞社