Facebook 2021年12月21日 臨時国会がおわりました。

臨時国会がおわりました。約36兆円という過去最大の補正予算が自公の賛成で可決・成立しました。「新型コロナ対策」「社会経済活動再開」「新しい資本主義」「安全・安心の確保」の大きな4つの内容です。新型コロナ対策など、緊急性の高い予算は補正予算で確保するべきですが、そもそも財政法的には補正予算は緊急性の高いものにかぎるべきです。そうしないと、財政規律がゆるみ、予算の必要性議論などが不十分なまま、ますます借金体質がふくらんでしまいます。18歳以下10万円給付も配布方法も十分議論のないまま実務を担う地方自治体に混乱をもたらしました。来年の参議院選挙をねらったばらまきと批判もされています。本予算でカバーするべき軍事費増強なども大きく、今回の補正予算に私たち「碧水会」は会派として反対しました。12月21日(長いです、1500文字)
また碧水会は、国民民主党、立憲民主党と、新型コロナウイルス感染症で経営に影響を受けた事業者を事業規模に応じて支給する給付金の法案も参議院事務総長に提出しました。というのも、事業規模への配慮を欠いた与党の法案に現実性をもたせるためです。少数会派でも、政党なみに扱っていただき、本質的な法案づくりに参画できるのはありがたいです。参議院のより民主的なところだと思います。
本日、基本方針が閣議決定された「こども家庭庁」について、今日はコメントします。滋賀県知事時代から、子育て政策に力をいれてきた立場から、2019年に出版した『命をつなぐ政治をもとめて』という、国政にむけての私の政策提案の柱のひとつが子ども・若者・女性政策です。その中に「こども家族省」の提案もいれました。子ども政策は「財政的支援」「サービス供給」と同時に、なぜその現象が起きているのか、「家族法や子ども関連法案」などの、法的問題を扱う部署で構造的変革を行うことも必要と強く主張しました。ただし、今回閣議決定された「こども家庭庁」には、子ども・家族法制を扱う部局はないようです。
そもそも霞が関には法律専門の職員はいないのです。育っていないのです。というか育てていないのです。昭和22年に霞が関の仕組みをつくった時からの慣例です。たとえば河川政策ならば、河川工学の技術職が具体的な政策づくりをします。でも河川や治水政策で裁判が起きても、河川法務専門家は国土交通省にはいません。法務省の民事局長さえ、民事法の専門家ではありません。最高裁判所に所属している裁判官を「判検交流」という人事交流で2-3年、霞が関に配置しているだけです。民事法の専門家だけではなく、環境法の専門家とか、財政法の専門家という法務担当者は、日本の霞が関には不在なのです。
「こども家庭庁」が扱う領域は、「厚生労働省」が扱う「虐待対策」「ひとり親支援」「母子保護」「保育所」、内閣府からは「少子化対策」「子どもの貧困」「児童手当」「認定子ども園」などということで、義務教育や幼稚園、いじめ対策はのぞかれています。これまで法務委員会で、子どもの貧困、虐待問題などを、家族法などとかかわらせて質問をしてきました。
たとえば、子どもの貧困は、ひとり親家庭で2人に1人、複数親家庭で7人に1人という実態を示し、日本の民法の単独親権制度と女性の平均賃金の低さが、離婚後のひとり親を増やし、養育費の支払いなども行われない法的要因もあり、子どもの貧困が増えているのではないか、と繰り返しくりかえし内閣府や厚労省担当者に質問をしてきました。
しかし、担当者はだれも、「そのような関連について私たちは熟知していない」「家族法との関連については担当していない」という回答ばかり。ちょっと調査をしたらわかるのに、調査さえしない。今目の前に起きている社会現象の「対処療法」ばかりで、「なぜ」という構造的背景を考える官僚がほとんどいません。こういう中で、果たして「こども家族庁」が機能するのでしょうか。「こども家族庁」の議論は、来年1月から始まる通常国会で深められるはずです。ここで、私自身も議論を提起していきたいと思います。皆さんのご意見もお願いします。
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