国会審議から週末に琵琶湖にかえり、琵琶湖の水位低下がかろうじておさまり安堵しています。1ケ月前の11月13日の水位はマイナス61cm。その後一日0.3cmほどのペースでさがり11月30日にはマイナス68cmまでさがってしまいました。12月にはいって30ミリの雨がふり、今日12月12日はマイナス55cmまで回復しました。琵琶湖水位の全体の変化を示すグラフ写真と、本日のマイナス55cmの比良浜の砂浜と、8月豪雨のあとのプラス30cmの時の水位写真、比較してみてください。マイナス68cmの時とくらべ、橋板の綱は2メートルほど短くできました。砂浜面積が2メートルほど回復したことになります。12月12日。
琵琶湖に30ミリ(3cm)の雨がふったら琵琶湖の水位は何センチ回復するのか?以前孫からきかれました。琵琶湖の面積は滋賀県面積の6分の1です。琵琶湖上の雨水はそのまま琵琶湖に溜まるので3cm水位があがり、かつ周辺から3センチ*5倍=15cm分の水がはいってくる?実際はそう単純ではありません。琵琶湖周辺に降った雨水は大地が乾いているとそのまま森や田んぼにしみこんで地下水になります。また森の樹木や水域を通じて大気に蒸発する水分も意外と多い(森では3割くらい)です。また琵琶湖の最下流部、瀬田川洗堰から京都、大阪、兵庫の水源として流出させる水もあります。
ということで、琵琶湖周辺に降る雨量と琵琶湖の水位回復の速度の間には複雑な関係があります。ただ、これから冬の水位低下について、もちろん節水は続けてほしいですが、私はあまり心配をしていません。このメッセージに「琵琶湖水源の安定性は自然の奇跡―夏雨・冬雪の両方にかかる」という図を添付しました。九州、四国、瀬戸内海では冬場の水不足が多いです。逆に北海道などは梅雨や台風が少ないので夏の水不足が多いです。ただ、琵琶湖は南部が太平洋側気候で梅雨も台風も来る。北部は日本海側気候なので冬の雪も降る。日本で最深の降雪記録は昭和11年、伊吹山の11メートルです。
今年の冬は降雪が多い、という予測もあります。琵琶湖の水を使う消費者としてはできるだけ節水をして、琵琶湖水の需要量を増やさないよう、また琵琶湖からの取水水量を増やすことがないよう、身近な生活場面での節水をお願いします。近畿圏1450万人の皆さまの蛇口の向こうには琵琶湖があります。その琵琶湖はまさに「自然の奇跡」ともいえる年中安定的な水源となっています。