琵琶湖水位が下がり続けています。比良浜での朝の水一杯を飲ませていただき、歯をみがき、顔を洗うという生活をしている身からすると琵琶湖の水位低下は深刻です。日々水位がさがると橋板が砂浜に浮いてしまって水面に届きません。友人の前川さんが20メートルロープで橋板を沖にだしてくださいました。それでも足らない。11月13日の昼12時の水位はマイナス61センチ。琵琶湖水位の全体の変化を示すグラフ写真と、本日のマイナス61センチの比良浜の砂浜と、8月豪雨のあとのプラス30センチの時の水位写真、比較してみてください。砂浜は20メートルほどひろがっています。11月13日。
なぜ水位がさがるのか。単純に雨がふらない!「令和3年琵琶湖水位曲線」のグラフの上にある水色の棒グラフが降雨量です。今年の9-10月の降雨量をみていただくと、台風もなく秋雨前線もなく極度に少なくなっています。大津でみると例年の20%程度しかありません。今後も大雨が予測される可能性はひくく、このままいくと2007年以来の水位低下となり、渇水対策本部をつくり、水道の取水制限などもでてくるかもしれません。
水位低下がおきると漁船が動きにくくなり、観光船が航行しにくくなります。図1をみていただくと、観測史上最悪の水位低下は平成6年(1994年)9月15日でマイナス123センチまで下がりました。当時、私自身は琵琶湖博物館準備室で博物館建設の準備をしており、琵琶湖周辺の水位低下状況を調査し、大津では堅田の浮御堂の湖底がさらされ、湖北の竹生島周辺では、沖合数キロまで歩けるほど、湖底が露出してしまいました。その影響はその後の貝類や魚類の生息地破壊、また南湖の水草繁茂につながったと言われています。