10月4日午後、衆参両院の本会議での総理大臣の指名選挙が行われ、第100代の総理大臣に自民党の岸田総裁が選出されました。9月29日に自民党の総裁選挙がおわってから、野党系では、首班指名選挙をどうするか、いろいろ議論がありました。立憲民主党は共産党と協力をして枝野幸男さんを、国民民主党は、昨年の菅総理選出の時には枝野さんと書いたのですが、今回は玉木雄一郎さん、という判断になりました。旧民主党系が分裂してしまいました。悩ましい状況です。10月4日。
2019年7月の参議院議員選挙で、滋賀県の野党統一候補として、「大きなかたまり」の元、選んでいただいた私としては、枝野さんを選んだら国民民主党関係の方ががっかりするでしょう。玉木さんを選んだら立憲民主党関係の方ががっかりするでしょう。今回の衆議院選挙がおわるまで私は無所属で、と有権者の皆さんともお約束をしてきました。この背景には、「働く者の立場」を代表する連合に象徴される労働者の政治活動があります。また労働運動とは直接かかわらない地域住民としての嘉田への大きなご支援もありました。
労働組合運動の歴史を振り返ると、今から30年ほど前の平成初期に、それまで大きくふたつに分かれていた労働者の組合が「連合」としてひとつにまとまった、その拠点が滋賀県でした。象徴的な話があります。「公務員の兄貴と、民間企業に勤めている弟が属する組合がなんでべつべつなんや?」と不思議に思っていた親としては、働く労働者の立場は統一してほしいという願いを家族生活の現場から求めていたということです。家族の親密性を大切にする素直な感覚です。
実は滋賀県は、昭和30年代までは水田農業中心の生業に、昭和38
年に名神高速道路ができて大企業工場が進出してきました。ここに「農工連携」の地域社会が成立してきました。東レなどは昭和初期から立地していましたが「農工連携」が強化されたのは昭和30年代です。それ以来30年以上、業種や立場の違いをこえて協力してきた労働者団体の連合が、昨年9月段階で、立憲系と国民系で分かれてしまいました。
個別の違いを強調したら、それぞれすべてバラバラになってしまうでしょう。社会は基本的に性別、出自、嗜好等、異なるのは当然です。でもその違いは吞み込んで大きな塊を維持してほしい、という願いをこめて、参議院の少数会派碧水会として、首班指名はどまんなかで、嘉田由紀子と書かせてもらうことにしました。自分で自分の名前を書くのは何とも片腹痛いですが、滋賀県の有権者の皆さんとのお約束を果たす、ギリギリの判断でした。皆さんのご意見を聞かせてください。
今後の国会日程は、岸田総理が宣言しました。10月14日衆議院解散、10月19日には衆議院選挙の公示、12日間の選挙活動の上、10月31日が投開票という日程になります。コロナ禍でずたずたに傷ついてしまった日本の暮らしと経済、どう建て直すのか、本気の政策議論が必要です。
政治は決して「遠いもの」ではありません。「政治は未来をつくるもの」。10月31日の衆議院選挙の前に、滋賀県では、甲賀市、湖南市、東近江市、野洲市、米原市で市議会議員選挙があります。皆さんの今、切実な願いを、それぞれの地域の政治参画の一票に託してください。