Facebook 2021年5月24日 「100年に一度」は明日かもしれない、という備え

まだ5月だというのに、西日本は梅雨入りという。皆さんのところの雨の降り方はどうでしょうか。「100年に一度」は明日かもしれない、という備えが特に梅雨時期には必要です。5月24日。
昨年7月4日に梅雨末期の豪雨で大きな被害をだしてしまった熊本県球磨川水害ですが、昨年7月から仲間といっしょに地元にでかけ、なぜ溺死者が球磨川流域だけでも50名も出てしまったのか、と聞き取り調査等をすすめてきました。その途中でNHKの方たちとも接触し、今回の球磨川水害の異常な水量、豪雨と、支流や町中水路の怖さなど話をしてきました。
今回、その結果の一部が、昨晩5月23日、教育テレビ「サイエンスZERO」で放映されました。タイトルは、「別次元の脅威“津波洪水” 命を守る対策を考える!」です。見逃した方は、今週土曜日、5月29日の午前11時から再放送があります。
NHKでは、堤防をはるかに超える濁流が、川と集落を一体にして激しく流れ、多くの家屋を流失させるなどした現象を、“津波洪水”と名付けました。被災者の多くも「まるで津波のようだった」と語っています。
番組では、津波洪水の脅威を徹底検証するとともに、流域全体に降った豪雨が本流に入る前に、支川や町中水路であふれ、溺死者を出す都市型水害現象もとりあげています。流域全体で治水をうけとめる「流域治水」の重要性も提起されています。今後、さらに進むと思われる温暖化の中での、豪雨激甚化時代の新たなリスクと対策が提示されています。
専門家として出演した熊本大学特別教授の島谷幸宏さんが、「今まで堤防やダムなど大型構造物で洪水から命を守ろうとしてきたが、気候変動の影響で、それが行き詰っている。今までの治水に加えて“流域治水”という考え方が重要」「流域全体で水をゆっくり流し、水を貯留したりする治水に変えていく」として「田んぼダム」や「農道のかさ上げ」「都市化すると急速に増える流量にそなえて」「流域全体で治水をして被害を軽減する」重要性を強調してくださいました。
来週月曜日、5月31日の、「第二回流域治水シンポ」には、島谷幸宏さんが基調講演をしてくださいます。
皆さんの身近な地域でのハザードマップなど、調べて、備えてください。特に、子どもたちの通学路は、ちょっとした水路でもあぶないです。溝と道路の境目がチェックできるよう傘などを持って歩くか、事前に通学路での水路の確認などをお願いします。
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