「今こそ流域治水を!
緊急宣言~ふりかえる淀川水系流域委員会の提言~」淀川水系流域委員会元委員の有志実行委員会で以下の提言をまとめました。3月4日、「嘉田由紀子FB」で紹介した緊急フォーラムの結果です。理屈っぽくてすみません(微笑)。3月21日。
川上聡、今本博健、宮本博司、武田史郎さんと嘉田由紀子、5名ですすめた緊急フォーラムの最後に以下の提言をまとめました。
(1)2021年2月、国が「流域治水関連法案」を閣議決定し、通常国会での議論をすすめていることは大いに歓迎する。
(2)しかし、2021年2月に近畿地方整備局が提案した、「淀川水系河川整備計画変更原案」は従来の整備計画に「流域治水」の言葉や文脈を示唆しているが、根幹が変わっていない。特に流域住民の生命と暮らしを守るために、住民に寄り添い、願いを聴き、頼りになる「流域治水」をどのように実践するのか、近畿地方整備局の変更原案には見えない。変更原案では「いかなる洪水でも被害を最小限にする」と非定量治水に転換したような記述がなされており、この観点を貫くためにも整備計画を策定しなおす必要がある。
(3)大戸川ダムの必要性、有効性についての説明は不十分である。大戸川ダム建設による財政負担や環境破壊を受け入れざるを得ない立場にある大阪府民、京都府民、滋賀県民や広く国民に対して、いかなる降雨パターンでいかなる被害が想定されるのか説明が必要である。また、代替案としての堤防強化や、既設ダムの利水容量の治水活用についての詳しい言及が必要である(大戸川ダム約2,200万トンに対して、3川合流点で約8,300万トンが活用可能と「ダム洪水調節協議会」にて提示)
(4)「計画規模」を超える「超過洪水」にあっては、「避難」が大事な手段となるが、その当事者アクターとなる住民・事業者への説明と誘導をどうするのか、具体的に提示する必要がある。特に子どもたちなど学校現場での流域治水への主体性を育む教育が必要である。
(5)気候変動の時代、「流域治水」の本格化にあたっては、河川法による「定量治水」を改正し、「非定量治水」への転換が必要であり、法案改正は未来世代への現世代の役割である。
(6)気候変動と人口減少の時代、河川・国土保全政策が、カーボンニュートラルやSDGsの実現、グリーンインフラの拡大とその国土空間デザインなど、未来世代への責任をいかに果たすべきか、将来予測をふまえて、ファクトデータを提示する必要がある。
またちょうど3月21日、朝日新聞社にのった嘉田由紀子へのインタビュー、と3月22日、滋賀県選出衆議院議員武村展英さんの記事も紹介させてもらいます。それぞれの意見をみていただき、皆さんのご意見をいただけたらありがたいです。