Facebook 2021年2月4日 このFB上でも皆さんのご意見をうかがってきたコロナ関連法案が2月3日に成立しました。

このFB上でも皆さんのご意見をうかがってきたコロナ関連法案が2月3日に成立しました。皆さんのご意見、ありがとうございました。参考にさせていただきました。本来は昨年の臨時国会で議論するべきものが先送りにされ、今回、衆参で4日間の議論しかありませんでした。罰則規定やその具体的な運用についても急ごしらえの「生煮え」です。菅総理大臣は「実効性を高めるための法案」と言っていますが、たとえば滋賀県当局からも「特に罰則の適用について具体的にどうしたらいいのか指針がほしい」という切実な声が届いています。私は以下の理由から反対をしました。(長いです、2600文字。すみません)。2月4日。
ひとつは、国政としての昨年からの感染症対策の計画性のなさと、場当たり的で都道府県や医療現場への負担おしつけです。国際的な比較調査では、日本のコロナ対策評価は45位でした。コロナ感染症の拡大を食い止める必要姓は十分理解します。そのためには、昨年から言われるように、①確実な検査と感染者の発見、②感染者の社会的隔離の徹底、③医療資源の確保と手当の仕組みづくりです。2020年1月にコロナ感染症が日本に侵入してきて以降、習近平さんの日本訪問やオリンピック開催などを目前にひかえ、海外からのコロナ侵入をふせぐ水際対策がはじめられたのは3月末でした。手遅れです。4月には緊急事態宣言がだされましたが、検査体制や医療資源の確保は不十分でした。
一方で学校だけは、子どもの感染リスクを調べることなく、2月末日の木曜日に突然3月の第1週から休校を要請し、共稼ぎ家族やひとり親家庭に大きな負担をかけました。卒業式や入学式も経験できず、子どもたちの間にも大きな不安がひろがりました。私の事務所で聴き取りをさせいただいたひとり親家庭では、学校休業で仕事をやめざるを得なかったという訴えもいただきました。その上、テレワークのひろがりで、家族の間での軋轢がひろがりました。5月初めには小児科学会が政府のコロナ対策、特に学校対策を批判しました。
2020年の秋から冬になって、女性や子どもの自殺率が例年になく多くなっています。厚労省や文部科学省からもデータをだしてもらって意見をききましたが、子どもの自殺数は、これまでになく増えています。理由は「学業」ではなく「家族」「人間関係」です。女性の場合にも「仕事・雇用」「家族」「人間関係」・・・。緊急事態宣言で、飲食業などの休業をもとめながら、経済的支援の不十分さが、非正規雇用の多い女性にしわ寄せがいっています。休業要請への経済的支援も今回の法案では本文に明記がありません。
二点目は、苦しむ国民への愛がありません。そもそも感染症は、自分が好きこのんでかかるわけではありません。マスク、手洗い、消毒、いくら気を付けてもかかってしまう。かかってしまった当事者国民への共感も配慮も、支援も不十分なまま、2021年1月に突然与党から、「入院拒否」「保健所の疫学調査に正当な理由なく拒否した人」には刑罰を与えるという案がでてきました。つまり刑法犯罪者にするという国家の強権発動です。私自身、ひっくりかえりそうになりました。入院したくてもベッドが不足、保健所は多忙すぎて疫学調査もしきれない。そんな現実を無視して、突然の刑法犯罪者づくり。与野党協議で、刑罰部分は削除されましたが、運用規定が不明瞭なまま、罰則が残ったままです。
ニュージーランドのアーダーン首相や、ドイツのメルケル首相の国民に対する言葉には、「あなたのお子さんのことを考えてください」「皆さんの行動を制限することは民主主義国家としてはとっても苦しいことです。でもあなたのおじいちゃん、おばぁちゃんと来年のクリスマスにはいっしょに楽しくすごせるよう、今年は我慢してください」。語り掛ける言葉に国家元首としての責任感と愛情があふれています。
昨年の臨時国会時から、野党は、特措法や感染症法案の改正が必要と主張してきました。そもそも感染症二類相当というのは結核相当ですから、ホテルなどに感染者を収容するのは違法です。感染症対策の経験がない民間系病院がコロナ患者を受け入れることは法的にも人的にも無理です。本来必要な特措法や感染症の改正を早めにすすめずに、民間病院の協力などを行わず、突然に2021年になって改正法がでてきました。それも刑法犯罪者づくりです。
しかもなぜこの罰則が必要なのか、菅総理大臣も田村厚労大臣も「知事会からの要請」という理由を何度もだしました。1月9日の知事会の要請文をすみからすみまでチェックしました。たしかに「罰則」という言葉はありますが、それは刑法上の罰則を表しているのではないと知事会事務局もこたえていました。田村厚労大臣は「専門家の意見」とも言っていました。専門部会の議事録が1月25日になって公表されました。罰則には反対している委員の方が多かったのです。国家元首や大臣としての覚悟も根拠となるデータもない。怖い国です。
三点目は、今後の中長期的な感染症への対策を国として何も示そうとしないことです。地球温暖化が進み、生物多様性が破壊され、永久凍土から新しいウイルスが溶け出してくるかもしれません。国立環境研究所などが警鐘をならしはじめています。一方で、人びとの移動を促すグローバル化はますますすすむでしょう。今回の世界的規模でのコロナ禍のような感染症は今後ますます広がることが予想されます。それには「過密都市」から「適疎社会」をめざす必要があります。
明治時代以降、特に戦後の高度経済成長期以降、東京一局集中に手を打てず、今回の感染症でも、東京、名古屋、大阪、福岡等の都市中心部での感染リスクが高止まりです。今こそ、テレワークなどの情報資源を活用して、日本全土の均衡ある地域づくりに投資をするべき時です。地球規模でひろがる温暖化の中で水害などの災害も増えています。私は水害対策を専門にすすめてきましたが、東京や名古屋、大阪のゼロメートル地帯での水害は予想するだけで恐ろしいです。自然災害リスクや感染症リスクから国民の未来の命と暮らしを守る国家的構想が今こそ求められています。
なぜ地方から人が東京をめざすのか、なぜ一旦東京や都会にくると、地方に戻らないのか。戻れないのか。特に女性が地方に戻りにくい、戻らないのはなぜなのか?全く無関係のようですが、昨日2月3日、森喜朗元総理の「女性は話がながい」という「おじさま政治家」の女性軽視意識とつながるように思えてなりません。
これまで地域創生といいながら、なかなかすすまなかった、その背景には大企業の本社機能の東京集中などと並んで、地方での女性軽視の社会意識があるように思えてなりません。性別役割を強要されずに、地方でもまさに男女ともに一人ひとりの人生が仕事も家庭も全うできるような社会政策が必要と思います。
長話におつきあいいただき恐縮です。
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