これが工場!? ホテルのように美しい、山と湖をのぞむ快適空間。創業者の堀場雅夫さんが唱えた「おもしろおかしく=JOY and FUN」の精神が生きるHORIBAの工場が昨年5月に琵琶湖畔に誕生!堀場厚 会長兼社長さんからのご招待をいただき現場の感動訪問をさせていただきました。4月28日。(また長い、^_^)
目の前には琵琶湖南湖から対岸の三上山が美しい。今日は琵琶湖の環境学習船「うみのこ」がタイミングよく北へ走っていました。背中には坂本・日吉神社のご神体山の八王子山、滋賀の湖西ならではの地政を活かし「新たな価値を生み出す港」の概念が建物全体に活かされています。そもそも「船仕様」の建物!そして名前はHORIBA BIWAKO E-HARBOR !
建物各所に「社員のコミュニケーションの誘発・促進」理念が埋め込まれています。たとえば階段。社員は全員、豪華客船の船中階段のようなゆったりした広い階段を使って1ー9階を行き来するよう設計されています。途中で顔を合わせて会話が進む。社員の勤務机は大部屋100メートルの空間にライン状ではなく角角でぶつかるように配置。会話が生まれる配慮。
上役部長席は、一人ずつ部長机が横に並び仕切りがない。部長室は排除。相談する部下・相手に面していて、まるで心理コンサルティングの相談コーナーのよう。部署を超えて会話が共有され、新しい技術や概念が対話的に広がっていく。私自身、琵琶湖博物館を企画設計した時、館長から学芸員、事務職員、交流員まで全て大部屋でと主張した理念を思いおこしました。
思いおこしてみると、知事時代に誘致した工場の中でも、HORIBAさんのこの工場の理念は傑出していました。環境計測技術は、個別の現場のニーズに応じてカスタマイズが必要という。それゆえ、クライアントのニーズに個別に寄り添い、営業・開発・設計・生産のプロセスが全て結合できる生産現場が必要だという。その上研究開発にあたる人間の精神を豊かにする自然が必要という。
そのニーズにぴったり合った場所が、湖西のこの土地だったという。堀場雅夫先代が40年以上前に求めたこの土地に、堀場厚 現会長兼社長が「創造の拠点」を実現して下さいました。琵琶湖風景に魅せられて、厚さんは大津市の琵琶湖遠望ができる場所を住居に選んでくれています。うれしいことです。
その上、HORIBAの経営理念には「技術の遷宮」という概念も埋め込まれています。「遷宮」とは伊勢神宮の遷宮を引き継いだ思いです。コア技術を先輩から若手に引き継ぎ、進化させる。まさに日本文化に埋め込まれた世代をこえた技術と価値の継承も埋め込まれています。そして今、電気自動車や自動運転の自動車産業を見越した新たな計測システム全体を提供できる新分野にも挑戦している現場もみせていただきました。
実は今日は6月末に計画している「琵琶湖周航の歌100周年記念事業」へのご協力を堀場厚さまにお願いしました。あわせて、びわ湖放送の東社長も同席いただき、琵琶湖周航の歌100周年事業の記録映像作りや、記念番組放映へのご支援もお願いしました。
大気や水などの環境計測・分析技術で、暮らしを裏から支え、結果として地球環境保全へのソリューション提案を実行するHORIBAさんの挑戦に拍手を送りたいと思います。琶湖湖畔に世界のものづくり価値を創造する、その現場に出会い、感動の時間でした。