かるたの聖地、大津市の近江神宮ではじまった「小倉百人一首競技かるた決定戦」の開会式に参加、川端達夫顧問ともども挨拶をさせていただく。感染防止対策として、観覧人数は例年の6割程度に制限し、換気や畳の消毒を徹底。出場者は試合中もマスクを着用、読み手の前にはアクリル板を立てるなどして対応するということ。新春の雰囲気のこる近江神宮での熱戦にエールを送らせていただきました。1月9日。
昭和30年にはじまった名人位、昭和32年に始まったクイーン位。本年の名人戦は、昨年、初防衛した京都大学かるた会の粂原圭太郎名人(群馬県出身)に対して、福岡かるた会の自見壮二朗6段が初めての挑戦。クイーン戦は、昨年クイーン位を獲得した本多恭子6段(大津あきのたの会)に対して、6年ぶり3度目のクイーン位挑戦となる山添百合6段(京都小倉かるた会)が挑みます。一昨年からクイーン位戦も名人位戦と同じく5回戦となり、先に3勝した方が栄冠に輝きます。結果が出るのは明日以降でしょうか。
なぜ近江神宮が、かるたの聖地に?近江神宮にまつられている天智天皇は、小倉百人一首の巻頭に「秋の田の かりほの庵の とまをあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」と御製を残されました。そのゆかりによって、近江神宮は「かるたの殿堂」と称されています。近江神宮の象徴ともいえる朱塗りの楼門や、近江勧学館を舞台とした試合の様子は、競技かるたを題材とした世界的な人気漫画『ちはやふる』の中にもたびたび描かれています。
ただ会場の近江勧学館の畳が傷んで張替が必要となっていました。「畳の上の格闘技」とも言われる競技かるたでは、選手が畳の上に置かれた札を勢いよく払う、畳を叩く、抑える、といった取りが行われます。どうしても畳の急速な劣化は免れず、昨年畳替えの必要に迫られ、張替費用350万円の捻出をクラウドファンディングで呼びかけました。目標とする金額をはるかこえる約970万円が一カ月間で、631人の人から寄せられました。ありがたいことです。このことも挨拶で披露させていただきました。