Facebook 2018年7月5日

大雨、皆さんのところはいかがですか?梅雨末期の洪水、行政からの情報、特にそれぞれの自治体の河川情報は最新水位や避難行動指針の水位を出していますので、どうぞ確認いただき、皆さんご自身で対応ください。自治体から携帯電話に避難勧告などがはいっていると思います。夜の避難は危険です。二階以上の家の場合には「二階への避難」「崖から離れた部屋」へ、そして近所にビルなどがある時はお互いに近隣で避難しあえるような工夫をして下さい。暗闇での移動は危険です!くれぐれも無理をなさいませんよう。お気をつけてください。7月5日(また長いです:微笑)。

さて、今日は「夏休みは琵琶湖博物館へ行こう!」ご案内させていただきます。7月4日に内覧会があり、参加しました。「大人のディスカバリー」「子どもと大人のディスカバリー」ふたつの「発見部屋」が、明日7月6日に新たにリニューアル公開。「レストラン」「ミュージアムショップ」もリニューアル。「進化する博物館!」です。子どもさんの夏休み宿題テーマも発見できるかも?!滋賀県だけでなく、日本中からこの夏琵琶湖を目指して下さい!!

1996年に10年近くの準備期間をへてオープンした琵琶湖博物館。「湖と人間」のかかわりをテーマに、自然と歴史・文化・暮らしをまるごと研究、展示へと挑戦的な博物館づくりをめざしてきました。参加・体験型博物館をめざし、おかげさまで公立博物館としては異例の人気を博し、20年で1000万人をこえる人たちが来館下さいました。

今回オープンした「大人のディスカバリー」。「大人の・・・」という表現がちょっと「どき!」としますが、そこが狙い目。生き物や文化・歴史など、大人の学びと発見を楽しめるリアルな知的空間となっています。日本では初の試み。11の分野毎に、標本やはく製などを自由に手にとって、顕微鏡や図鑑で調べたり、常駐する学芸員に相談したり、本気の学びが実現できます。

水生昆虫専門の桝永一宏学芸員が中心に各分野の学芸員が知恵を出し合ってくれた展示室です。全体のデザインコンセプトも黒を基調に落ち着いています。内覧会では、枡永学芸員が「アシナガバチの標本づくり」の場面を実演してくれました。実演中の学芸員とガラス越しに会話出来る工夫も埋め込まれています。実態顕微鏡で昆虫の拡大写真などもおもしろいです。

実は「大人のディスカバリー」の背景には、1996年の開館前からはじまっている「住民参加の調査研究」の蓄積があります。ホタル等は1989年から参加型調査を始めています。琵琶湖博物館では、研究仲間としての地域の住民・市民の皆さんとの連携を深め、展示見学や観察会参加だけでなく、調査研究に参加することで、博物館も住民・市民の方も、双方が成長でき・進化できる機会をつくってきました。

たとえば生き物や化石等の調査でも、専門の学芸員が分布調査を行おうとするとごく一部しかカバーできません。しかし、調査の仕方を共有し、共に調査研究を行うことで、たとえばホタル・タンポポ・昆虫・魚類などの動植物や化石等の分布調査など数千箇所の調査を行うことができます。参加者にとっても研究への目をひらき、地域への関心を高め、生きがい創出にもつながります。

今回の「大人のディスカバリー」では、たとえば「杉山コレクション」のコーナーがありますが、これは湖南市の杉山ご夫妻がお近くの野洲川河川敷等で植物化石を発掘し、化石そのものを展示とともに、ご自身の活動場面も紹介してくれています。中野敬二さんの「大津市街地のカンサイタンポポ探し」や、中川優さんの「博物館周辺樹木を活用した生活用具づくり」などユニークな展示もあります。

琵琶湖博物館では、「はしかけ」と「フィールドレポーター」というふたつの住民研究グループがあります。「はしかけ」は継続的に特定テーマでの調査研究を博物館学芸員とともに行うグループで、湖北長浜あたりでの結婚の仲人さんを「はしかけ」と呼んでいる、その名付けをいただき、「博物館と県民をむすぶ研究や交流の橋をかける主体」となっています。

「フィールドレポーター」は、生き物の生態や地域の文化民俗行事など、年数回の全体調査を、テーマを決めて行う母体です。準備室時代を含めるとこれまでの21年間で53項目の住民に身近なテーマでの調査を行ってきました。本日も準備室時代から25年以上もフィールレポーターで「遊ばせてもらった(微笑)」という津田さんもお見えでした。琵琶湖博物館の市民参加型調査は国内外から大きな評価を得ています。ありがたいことです。

1996年の開館以来、子どもたちだけでなくその親ごさんたちにも人気だった「ディスカバリー」もリニューアルになりました。動物の形や行動を間近に見たり、生き物のにおいをかぐ新しい展示もはいりましたが、人気の「ザリガニ展示」は、エサがバッタから水草にかわりましたが、基本は維持されています。子ども時代にザリガニ大好きだった方が今度は親ごさんになってきてくれて「懐かしい、意外に小さかったんだ!」と感想を伝えてくれました。世代をこえてつながる展示の意味も面白いものです。

この大雨の中、琵琶湖はその広さゆえ治水ダムとして、大量に水をためています。6月15日からの梅雨時期には水位をマイナス20センチにさげて大雨に備えていました。昨晩7月4日の真夜中にはマイナス20センチが今プラス10センチ近く、まる1日で30センチほど水位があがっています。下流には最大800トン流せるところを毎秒300トンの放流で、桂川・木津川の水が淀川にはいっている今、琵琶湖は自分のところに大きく溜めて、下流を水害から守っています。これから皆さんのお近くの河川の水が下流へどう流れるのか、その時の水の量と琵琶湖水位、宇治川、淀川の水位などとかかわらせて見続けてください。

 

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