Facebook 2017年6月9日

「シートゥーサミット」という水辺から山までの自然をまるごと楽しむスポーツイベントをご存じですか?9年前に始まった企画ですが滋賀県でははじめて、6月3・4日に東近江でようやく実現しました。琵琶湖岸の伊庭内湖から、愛知川(えちがわ)を登り鈴鹿山までの流域走破、ご紹介します(いつも通り長いです:微笑)(写真の一部はモンベルさんからご提供いただきました)。

全国から260人が参加、カヤック・自転車・登山を組み合わせて、びわ湖から鈴鹿までの50キロを一日で走りあがります。人力だよりで、地域の自然と町並み・文化的風情を満喫いただきました。

そもそもこの企画、海・湖から山までが近接する日本ならではの、環境スポーツイベントで、野外用品大手の「モンベル」が企画。この日は、モンベル創始者でこの企画の提案者の辰野勇会長、東近江の小椋正清市長も参加。辰野会長が冒頭挨拶で、突然ヨシ笛で「琵琶湖周航の歌」を演奏・・・。ついつい私もほだされ、飛び入りでヘタな1・2番を歌ってしまいました(微笑)。

その後、私は「ようこそ、琵琶湖・近江へ~愛知川がつなぐ水と人~」という講演をさせていただきました。ちょっと幅広く琵琶湖全体の話が中心で、愛知川にしぼれず理屈っぽかったな、と反省です。講演が終わってから思い起こしたのは、愛知川の水神さんの話。このことをいれるべきだったと深く反省。最近、講演用のネタを蓄積した「知のタンス」から引き出す、その引き出し方が「老化」したとしきりに反省です(微笑)。

少し紹介します。びわ湖出口の瀬田川の唐橋の裾に棲む龍神さんは、夏になると避暑をかねて、ビワの実を食べに愛知川を登り、最上流の萱尾地区の大瀧神社を訪問する、ということ。大瀧神社は日照りの年には流域住民が雨乞いに訪れる水神さんをまつる神様。ビワの実のなる時期は、田植の時期、水田農耕民族には最重要の雨頼みの季節です。

この話を聞いたのは30年以上前の、愛知川中流部の簗瀬地区の古老から。昔この地域の宿に、若い女性が宿を求め、夜タライに水をいれてと所望され、こっそりのぞき見たら、蛇だった、という伝説をききました。それで上流の萱尾の大瀧神社を訪問。今は愛知川ダムに沈み、新しい神社になっていますが、そこにもちゃんとビワの木が植わっている!そしてもちろん瀬田の唐橋にも龍神さんの祠があります。

東近江で「シートゥーサミット」が実現できたのは、実行委員会の青山さんなど地域活動を取りまとめた皆さん、自治会や警察などおもてなしと安全を支えてくだった地域の皆さま、そして東近江市水と緑担当課の山口美知子さんや顧問の山崎さんはじめ職員の皆さんの力、それらをまとめる小椋市長、そしてモンベルさんの担当者、辰野会長、本当に多くの皆さんの力が結集された結果です。

それにしても驚いたのは、全国からの参加者は自分でRV車の屋根にカヤックを積み、後に自転車をはりつけ、重装備で参加なさることです。こんなに熱心な自然を愛するスポーツ人が全国から琵琶湖をめざしてくれたこと、うれしく・ありがたく思います。びわこ成蹊スポーツ大学からは中野友博副学長・教授が自ら参加されました。

琵琶湖辺の他の地域にも伝染して、姉川「シートゥーサミット」、安曇川「シートゥーサミット」などに展開することを期待したいです。

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