Facebook 2020年11月26日 「関西広域連合」 

「関西広域連合」ってきいたことありますか?日本の自治体組織は「市町村」「都道府県」ですが、広域自治体として日本で唯一の存在が「府県市連合」の「関西広域連合」です。2010年12月、ちょうど10年前に発足。当時滋賀県知事として、琵琶湖・淀川水系の上下流連携の自主的な流域管理や、2009年春の新型インフルへの対応に困り、「水もウイルスも人も行政境界をこえて移動する」ことに対応するために、関西広域連合の発足に強くかかわりました。今日は10周年記念シンポにお招きいただき参加しました。11月25日。(1200文字、また長いです)。
前半の「ポストコロナ時代の関西」シンポではまず藻谷浩介さんの講演が示唆的。最近のコロナ問題では「怖がりすぎず賢く備える」ことを発信。世界と日本の都道府県別の感染率などを示していただき、人口過密な都会ほど感染が深刻。東京一極集中は、コロナ感染だけでなく、首都直下地震など災害大国の日本ではリスクが高い。東京と関西、「双極の国土」づくりが必要と強く主張していただきました。
続くシンポジウムでは、経済界、環境、行政など多彩な面々。滋賀県からは、米原市旧伊吹町にお住まいのイーグレット・オフィスの須藤明子さんが、野生動物は府県境を超えて動くことから、カワウやシカなどの管理経験を紹介。特に環境保全局を預かった滋賀県としては、琵琶湖だけでなく関西全体で漁業被害などを起こしていたカワウ管理が実績を示したのは須藤さんたちの働きゆえです。
経済界では、住友電工会長の松本正義さんの発言は心強かったです。もともと関西発の住友グループ20社のほとんどは本社を東京へ移しているが、いざ関西でのイベントへでは、ふるさと意識を発揮してもらい、高額の寄付が集まるということ。行政では吉村知事が、大阪都構想の住民投票敗北をうけて、それでも関西としてのひとつの意思表示ができる母体づくりは大切と発信。関西・大阪万博などを核に関西としての発信力を強めたいと。
最後の「関西広域連合の10年を振り返る」の中で、元京都府知事山田啓二氏とともに登壇させていただきました。私は10年前に、関西広域連合の必要性を琵琶湖淀川水系の最源流の知事として強く感じたことを振り返りました。上下流は、古代からまさにライバルとして対立してきた。ライバルという言葉はリバーからきている。
その対立を理由に国が第三者的に府県間の河川管理をしてくる。そこで当事者の自主管理をしようと提案。「上流は下流を思い、下流は上流に感謝する」という上下流連携思想をつくり、京都府、大阪府、兵庫県に呼びかけた2008年から2009年。その経験が関西広域連合のひとつのきっかけであったことを語らせていただきました。
これまでの10年はまさに「はじまりの10年」。これからの10年にむけて、関西は、京都・大阪・神戸という三拠点が「ひとつ、ひとつ、主張してきた」のが、これからは精神としても実態としても「関西はひとつ」をひっぱっていただくようお願いしました。
10年間、広域連合長として全体をひっぱってきた井戸知事が引退なさり、仁坂和歌山県知事に連合長がかわるということ。コロナ問題で、「和歌山モデル」としてリーダーシップを発揮した仁坂知事ならではのご活躍に期待です。(写真は、滋賀県議の山本正さん、川島隆二さんにご協力いただきました)。
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