11月20日に「生殖医療の親子関係を明確化」するための民法の特例法案が参院通過しました。前日の11月19日には参議院の法務委員会で、2時間半の質疑がありましたが、あまりにも短時間での議論だと、批判もありました。ポイントは、第三者から卵子や精子の提供を受けた生殖補助医療で生まれた子どもの親子関係を明確化する民法の特例法案をつくろうということです。この後、衆院に送付され、今国会中に成立する見通しです。11月24日。(1100文字)
昨年、国会にいってから強く感じているのは、家族や子ども関係の法案を改善するにはとっても時間がかかるということです。今回の生殖補助医療による問題は20年も前に議論がはじまり、第三者の精子や卵子の提供を受けた不妊治療で誕生した子供がすでにたくさん生まれているのに、民法に規定がなかったということです。諸外国では、当事者の思いをうけて、すでに法制化が進んでいるというのに・・・。
この問題は、明治民法に規定されて、離婚後の共同親権がすすまないとか、夫婦別氏制度がうごかない、という点と共通すると思います。そで19日の法務委員会では、私は、当局(子ども家族省のような存在)がない中で、「条文が不十分」といって いつまでも先伸ばししていると、当事者が救われない。
それゆえ、附帯決議として、今後の充実を果たすことをめざして、ここはまずは第一歩、当事者がいるわけです、困っている国民がいるのですから、その皆さんに対して立法府として責任を果たしていくことが大事だと法案に賛成の立場で質問をさせていただきました。
特に「生まれた子どもが出自を知る権利」は大事です。子どもの権利条約第七条、八条にもあるので、出自を知る権利を認めるために、(1)提供された精子、卵子、胚に関する公的管理機関をつくり、(2)その中に同意書及び個人情報を八十年間保存する、(3)そこで出自を知る権利に対して提供者の個人情報の開示業務を行うなどの組織をつくるよう、法務大臣に質問しました。
上川法務大臣は、「自ら出自を知りたいという気持ちにどのように応えるかという課題につきましては、おおむね二年をめどに情報の保存及び管理、開示等に関する制度の在り方についても検討がなされることが予定されておりまして、法務省といたしましても、検討内容をしっかりと注視しながら適切に対応してまいりたい」と前向きの答弁をいただきました。
本日、テレビで、精子提供で生まれた当事者の石塚幸子さんが「出自を知る権利を法案に盛り込んで」と記者会見をしておりました。今後2年間の間に法案を充実する、という付帯決議もあります。すこしでも当事者の思いに寄り添うような改正ができるよう、今後もすすめていきます。