群馬県高崎市で、流域治水についての講演会、「滋賀県条例から考えるーダムがあってもなくても流域治水」関東平野の水源地域、八ッ場ダム問題などに関心を持つ皆さまが真剣に耳を傾けてくださいました。「東の八ッ場、西の川辺」と言われていた球磨川での水害犠牲者の調査経過など、川辺川ダムについても話題とさせていただきました。10月17日。
群馬県議の角倉邦良さんからご招待をいただいた講演会です。滋賀県発の流域治水が、みなさんのご理解の中、国政でも取り上げられるようになりました。なぜ流域治水だったのか?滋賀県を中心に関西各地、数十ケ所で、水害被害者調査をしてきました。その結果、洪水は多くても意外と死者が少ない、社会的知恵と工夫がありました。それらを現代の技術と融合させ、条例としてまとめたのが、滋賀県流流域治水です。
日本各地でそれぞれに工夫があったはずです。また近年の温暖化の影響で、これまでに経験したことがない豪雨に見舞われるようになり、それだけに、河川の中に閉じ込めきれない洪水の被害を少なくするための流域全体での対応、つまり土地利用や建物への配慮、そして避難体制が重要です。
球磨川での水害犠牲者調査では、平屋で溺死した高齢者が多いこと、また二階屋であっても体の自由が効かず、一階で溺死している人が多いこともわかりました。また高齢者施設では、平屋根で、大勢の人を一斉に避難させきれず、溺死者が出てしまった、という辛い状態も報告させていただきました。
利根川の場合、流域面積も大きく、最上流に八ッ場ダムが完成しても決して安心できるわけではありません。貯留できる水量は少なく、利水容量を治水に転換する「事前放流」の仕組みも新しく作られましたが、安心はできません。特に未曾有の雨の時、便りになるのは「河川水が超えても粘り強い“耐越水堤防”が有効です。またに何よりも福祉施設などはあぶないところにはつくらない、今ある施設は避難体制を十分に!!とお伝えさせていただきました。
生まれ育った埼玉県本庄市、中学生、高校生の時代に、登った浅間山や八ヶ岳。その度にいただいた横川駅の「釜飯し」をご準備いただき、味も中身も変わらない、感動の再会でした?
また滋賀に帰る帰路、新幹線の中で、相川俊英さんの出来立ての著書、『八ッ場ダムと倉渕ダム』を読ませたいただきました。倉渕ダムは、群馬県営で、八ッ場ダムの隣、住民運動の力に応えて小寺知事が英断で止めたという、地方自治の精神が詰まった出来事でした。感動の物語を、克明に記録した書物です。伊勢崎生まれの相川さんも、会場で耳を傾けていただきました。
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