Facebook 2020年10月10日 琵琶湖博物館リニューアル完成

10月10日、琵琶湖博物館リニューアル完成、本日グランドオープンです。ただしコロナ禍の中でのオープンであり、「事前予約」が必要です。琵琶湖博物館ホームページで予約をしてからお出かけ下さい。ご家族おさそいあわせて、お知り合いと、そして職場や学校仲間をさそって!10月8日に県議会議員の皆さまなどと内覧会に参加しました。その時の映像をふくめて紹介させていただきます。(1600文字、長いです!)
「湖と人間」のかかわりを、子どもたちの興味や生活者目線でわかりやすく導入し、背景には学問的な深さもそなえた、体験を重視した「参加交流型」博物館。平成初期に「赤潮などの水質問題で環境が悪い」というイメージが強かった琵琶湖。「琵琶湖で泳げるのですか?」と県外の人たちに言われショックでした。琵琶湖は価値が大変高い、県民の皆さんの誇りの焦点にと、自然と歴史・文化の研究成果に基づき、わかりやすく表現した博物館です。
建物としての博物館は「単なる入口」です。本当の魅力ある、価値ある自然と歴史は皆さん自身が暮らす滋賀県と琵琶湖。そして身のまわりで皆さんが発見した不思議を、琵琶湖博物館に持ち込んで、みんなで展示もつくりましょう!タンポポやホタル、魚などの参加型調査から始まり、今、全県でうごめいている参加型調査の結果は「大人のディスカバリー」として、すでに第二期リニューアルでお目見えです。最初からの理念は今回も活かされています。
琵琶湖のちから。それは大きくわけてみっつ。まずA展示室。「湖の400万年と私たち~変わる大地・気候・生き物~」。数百万年の自然の歴史がある「古代湖」で、生き物の進化の展覧会場。生物多様性の拠点です。これまで人気だったゾウの骨格標本や、ゾウの足跡展示、ゾウの森などを活かして、「もっと琵琶湖の水のイメージを」と、入口の琵琶湖の風景導入は分かりやすいです。リニューアルであることの焦点は、ゾウの骨格標本の左半身に筋肉をつけて「半骨半身」の標本!世界初ということ。高橋館長の専門家としてのこだわりが活きています。
二つ目はB展示室。「湖の2万年と私たち~自然と暮らしの歴史~」。縄文・弥生の時代から人が住みついた琵琶湖辺。その時間的深まりを、「森」「水辺」「湖」「里」という生態系に則した暮らしの歴史を振り返ります。それは私たちの今の暮らしにつながる歴史です。ここにも、これまでの人気展示である「貝塚のはぎとり標本」や「丸子舟」「漁具展示」が生かされています。丸子舟は、タブレット端末やスマホをかざすと高さ10メートルを超える帆が張られ、湖を搬送し江戸時代の湖がんの風景を体験できます。これもリニューアルならではの挑戦!
三つ目は、すでにリニューアルが完成しているC展示室。「湖の今と私たち~暮らしにつながる自然~」では、琵琶湖から川をさかのぼって、「ヨシ原」「田んぼ」「川や森」をたどりながら、それぞれの場所で生き物がどう生きているのか、発見できます。そしてその中心には、琵琶湖の魚類と、世界の淡水魚を見ていただく人気の「水族展示」。水族展示のリニューアルでは、魚食文化をみていただく「魚屋さん」が水族にお目見え!これもリニューアルならではの挑戦です。
今回のリニューアルでは、隠れた大きな貢献がふたつあります。ひとつは開館時20万点だった標本などの資料は140万点に増えました。骨格標本や生物標本から、民具や文献資料、そして写真。この整理には莫大な技術職のエネルギーが!そしてもうひとつは、県内企業の方がたの協力です。公立博物館としては思いきって企業協賛をいただき、今回のリニューアルには、263社が協力下さいました。開館しながらの展示リニューアルで学芸員の仕事も大変でした。
出版協力を「Duet」サンライズ出版と「湖国と文化」編集部の皆さんに感謝です!
このリニューアルを機に、「本当の博物館は琵琶湖地域、博物館は入り口でしかない。自分たちの身の周りの価値を発見してほしい。そして長い眼でみて、琵琶湖博物館を応援して欲しい」と高橋啓一館長の挨拶が光っていました。
さぁ、次の20年に!2040年、地球温暖化に歯止めをかけ、今、深呼吸が不完全で苦しんでいる琵琶湖の魚や生き物たちに皆さんの愛情を!!
#琵琶湖博物館 #リニューアルオープン #びわこのちから #参加体験型博物館 #古代湖 #琵琶湖の深呼吸
先頭に戻る