○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田でございます。お時間をいただき、ありがとうございます。
まず、原子力規制庁さんにお伺いをしたいんですが、今の山添議員の続きですけれども、原子力発電のエネルギー政策、これ、コストの問題、そして安定的供給、それから環境というこの三つの部分から、私たちはやはり原子力は問題だろうと思っております。そして、一番問題なのは廃棄物処理の方向がないと。よく言われるように、トイレのないマンションだと一般の方に説明をすると分かっていただけるんですけれども。
今回、核燃料サイクル政策の中の中核施設であります青森県の六ケ所村の再処理施設、ここはもう皆さん御存じのように、二十三年前の一九九七年に完成する予定だったんですが、トラブル続きで二十四回も延期されております。ここが今回、新規制基準適合審査に合格したということですけれども、原子力規制庁さんにお伺いしたいんですが、今後の手続、スケジュール、どうなっているでしょうか。具体的な日程なども含めてお願いいたします。
○政府参考人(市村知也君) お答えいたします。
日本原燃株式会社再処理施設の新規制基準適合性に係る事業変更許可申請についてでございますが、これは今先生御指摘のように、審査を重ねてまいりまして、去る五月十三日に開催をいたしました原子力規制委員会におきまして審査書案というものを了承がされてございます。
翌日の五月十四日から三十日間の科学的、技術的意見の募集、いわゆるパブコメの募集をしているところでございます。また、あわせて、原子力委員会及び経済産業大臣の意見を聴くことを決定をしてございます。今後、その意見募集の結果、それから原子力委員会及び経済産業大臣からの意見を踏まえて、原子力規制委員会として改めて事業変更許可処分の判断を行うということになります。
この現在議論をしている事業変更許可というものは、この再処理施設の基本的な設計方針というものを審査をしているものでございまして、今後この再処理施設というものを稼働するためには、この事業変更許可に加えまして、施設や設備の具体的な設計を確認するための認可、あるいはその組織の体制や作業手順等を定めた保安規定の変更認可といった手続が必要になります。
これら、そのほかの認可も含めた具体的なスケジュールにつきましては、日本原燃からの申請の状況、それからその内容等にもよりますので、現時点でその具体的なスケジュールをお答えすることは難しいところでございますけれども、原子力規制委員会としては、事業者の申請がなされれば、その内容について厳正に審査をしてまいる所存でございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
ちょっと時間がないので次の質問をスキップさせていただきますけど、今のように、原子力規制庁さんの方では、いつ具体的に再処理施設が動き出すか日程的にも見通しが立たないということですけれども、経産省の資源エネルギー庁さんにお伺いしたいんですが、使用済核燃料の貯蔵実態、これ、現在、国内で貯蔵しております使用済核燃料一万八千トンですが、国内の貯蔵容量の七五%です。原発を動かしたら毎日この使用済核燃料たまっていくわけですけれども、六ケ所村の再処理施設が遅れた場合、どのような方策を考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
全国の原子力発電所や再処理工場で現在保管をされております使用済燃料は、二〇一九年十二月末時点で約一万九千トン、管理容量二・四万トンの約八割に達してございます。早期に再処理工場を稼働し、使用済燃料の再処理を開始することが重要と認識してございます。
日本原燃においては、安全確保を大前提に、六ケ所再処理工場の稼働に向けて、引き続き、原子力規制委員会の指導の下、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに考えてございます。
また、使用済燃料は原子力発電に伴って確実に発生するものでございますので、その使用済燃料を安全に管理することは非常に重要な、核燃料サイクルの重要なプロセスでございます。
このため、政府としましては、二〇一五年に決定をしました使用済燃料対策に関するアクションプランで示した方針に基づきまして、地元の御理解を得ながら、乾式貯蔵の導入への重点的な支援を行う方針を示してございます。
さらに、事業者は、このアクションプランに基づきまして、乾式貯蔵の建設、活用も含む使用済燃料対策推進計画というのを策定をしまして取組を進めているものと承知をしてございます。実際に、既に使用済燃料の一部を乾式貯蔵に移管しております日本原電の東海第二発電所に加えまして、中部電力浜岡原子力発電所、四国電力伊方発電所、また九州電力玄海原子力発電所では、乾式貯蔵施設の安全審査を原子力規制委員会に申請中でございまして、具体的な取組が進んでいるところでございます。
こうした取組を通じて、引き続き使用済燃料対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。時間がないので、私は、もうこの核燃料サイクルは破綻していると、経済的にも技術的にも、そもそも「もんじゅ」が動いていないわけですから、と思っているんですが、皆さんがそれをどう判断するか、これは政治的判断が必要だと思います。
先ほど来、私たちは、実は滋賀県はすぐ近くに若狭湾岸の十四基の原発がございます。ここに万一のことがあったら、命の水源、一千四百五十万人の琵琶湖が汚染されるということで、滋賀県としては、エネルギービジョンを作りまして、原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現ということで計画を作り、実践をしております。
皆さんのところに図一から二、三と、カラーのをお出ししておりますけれども。原発を卒業しようといっても、じゃ、あなたたちどうするんだということで、自分たちから示そうということで、二〇一〇年に滋賀県の電力の三割近くが原発供給でした。これを二〇三〇年までに原発の部分を再生可能エネルギーとそれから地域の天然ガスコージェネなどで代わるようにという計画を作りまして、二〇一八年、既に、その図にありますように、再生可能エネルギー八・七%、天然ガスコージェネなど一二%ということで、計画どおりに進めております。これがまさに原発から卒業する道を地域から開いていくということだろうと思っております。
そのことについて、どうでしょうか、御感想というか御見解をエネルギー庁さんからいただけると有り難いんですが、ちょっと短めにお願いいたします。
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
ただいま委員から御紹介をいただきました、しがエネルギービジョンのような、地域において主体的に再エネの導入を促進していくような取組は、再エネの導入のための重要な方策の一つと考えてございます。
他方、資源に乏しい我が国におきましては、全国大で責任あるエネルギー政策を行っていくためには、単一の完璧なエネルギー源がない現状を踏まえますと、再エネ、天然ガス、原子力などの多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要であると考えてございます。また、再生可能エネルギーの賦存量とエネルギー消費量の分布は必ずしも地域的に一致しないことから、地域単位だけでなく全国大でのエネルギー需給の効率化も重要な課題でございます。
このため、引き続き、政府としましても、地域の自主的な取組も応援しつつ、3EプラスSの実現に向けて取り組んでまいります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
あと一分ぐらいしかないので、最後に温暖化の問題ですけど、実は琵琶湖に既に温暖化の影響が現れているということで、四ページ。なかなか関西でこの琵琶湖の話題提供されないんですが、日経新聞にありましたので御紹介します。
琵琶湖は、深いところで実は冬に冷やされる。で、全層循環、上下、水が混じって、湖底の百四メートル、一番深いところですけれども、酸素供給される。それが、温暖化によって供給されず、深呼吸ができない。深呼吸というのは私自身が名付けたんですけど、何か琵琶湖の身になると苦しいなあというので、科学的には全層循環というんですけれども、それを深呼吸、本当に深呼吸ができなくなっているという深刻な問題が温暖化の問題で出ております。
それに対して、これはもう地元として二〇三〇年CO2半減の計画を立てまして、それから今、次の三日月知事が二〇五〇年CO2ゼロということで、先ほど環境庁さんからも紹介いただきましたけれども、自治体として頑張っております。それを具体的にどういうライフスタイルなり、あるいは地域の仕組みに落とし込むかというのが地域循環共生圏でございます。
こういうことも、今日お越しの中井徳太郎さん、ありがとうございます、サポートいただきまして、それぞれの地域から積み上げで、ボトムアップでやっていくということを国家全体としても見通していただいて、そして国と自治体が協力してやっていただけたら、まさにポストコロナ、私はニューディール政策、今、グリーンニューディールが必要だと思っているんですけれども、ポストコロナの時代、生物と共生しながらというところで、地域地域からグリーンニューディールのようなこと、是非環境省さんの方でも、今日、副大臣がお越しですけれども、既に取り組んでいると思いますけれども、よろしくお願いいたします。
以上です。ありがとうございました。
【2巡目の質疑】
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田でございます。
先ほどは済みませんでした。ちょっと進行を中断をしてしまいました。申し訳ありません。
私は、今この時代、このエネルギー政策、中間報告ですけれども、グリーンニューディール政策を今こそ取り上げ、そしてそこに投資をするタイミングだろうと思っております。
背景は二つです。
一つは、先ほど山添議員が紹介くださいました、山極京大総長の疾病と人間。実は、感染症は人間が起こしてきている。例えば今のコロナですけれども、ここは、BC八〇〇〇年前に、牧畜が始まったときに人間世界にコロナが広がり、そして中世のペストは、都市化に合わせて都市、ネズミが増えて、そしてペストが増えるというようなことで広がっているわけです。結核もアフリカから森の開発等ということで、近年のエボラ出血熱なりHIVだけではなくて、人間世界のこのいろいろなウイルスは皆自然破壊からきていると。
これまで人類が撲滅できたウイルスは天然痘しかありません。ほかは何千年も付き合ってきたわけです。そういうところからすると、人間の感染症の歴史ですけれども、今、この後、コロナからどうやって次を見ていくのかというときに、撲滅はできない、付き合っていかざるを得ないというところで、先ほど環境省さんが言われた、温暖化を防ぐ、そして生物多様性を維持するという環境保全が大変大事になってくる。
もう一つは、エネルギーのこの問題ですけれども、ニューディール政策は、言うまでもなく一九三〇年の大恐慌の後アメリカのルーズベルト大統領が言わば公共事業で経済を再生しようとしたわけですけれども、今、この後、大変な影響だと思います、一九三〇年の経済破壊、大恐慌並みの不況が襲ってくるだろうという予測もされております。
そういう中で、今こそ、ニューディール政策にグリーンを付けるグリーンニューディールということが大事ではないかと。先ほど斎藤議員がおっしゃっておられましたけれども、その新しい時代に対してグリーンニューディールは三つ柱があるだろうと。
一つは、再生可能エネルギーが大幅にコストダウンをし、そして、日本は資源がないといいますけれども、おてんとうさまはたくさんあります、太陽エネルギー。そして、風もうまく使えたら、そして地熱ということで、ここは、ないないではなくて、あるものをうまく利用するということで、コストダウンに合わせた再生可能エネルギー。
それから二つ目は、移動です。今、移動の分野で石油、ガソリン使っていますけれども、この移動の分野で電気自動車が増えてきています。電気自動車はここ十年で千倍にもなっております。ここに、増えているのと反比例して蓄電池のコストも下がっておりますので、移動分野での再生可能エネルギーが使えるだろう。
それから三点目は、私たち、シェアリングエコノミーと、共有経済と言っておりますけれども、例えば太陽光発電と風力発電をつないでベースロード電源にする、それもICTとかAIとかそういうものを活用することによって、今までできなかった技術、つなぐ技術ができてくる、共有する技術ができてくるというところで、このシェアリングエコノミー。
ですから、グリーンニューディールの再生可能エネルギー、それから移動の分野、シェアリングエコノミー、この辺に投資をすることで、感染症とも付き合いながら、かつ経済も再生できるという形での政策提言を是非この調査会からもしていただけたらと思います。
時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。