Facebook 2020年7月19日 新型コロナの「重症化率」

7月19日、東京を中心に新型コロナの感染者数が増えていますが、政府や東京都の発表では、「重症化率」など、どこまで深刻な状況か、データがみえてきません。
「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では、感染者数の増加と重症者数の対比をだしています。重症者は増えていません。
感染の二週間後位に増えると言われていますが、果たして重症数数が7月末頃に増えていくのか、見守っていきたいと思います。(2000文字こえています。また長いです)
またそもそも「日本で重症化率・死亡率が低いワケ」も山中伸哉さんが「ファクターx」と言っていますが、筋道がまだまだわかりません。
人口100万人あたりの死者数はヨーロッパでは300人~500人ですが、日本では7.5人、他のアジア地域も10人以下です。最も低い台湾は0.3人です。日本での新型コロナにより亡くなった人は7月19日段階で1000人に及ばず、例年のインフルエンザ死者数の3分の1程度にとどまっています。最近、かなり説得的な論考に出会いました。以下に引用させていただきますが、国際医療福祉大学の高橋泰教授の「感染7段階モデル」です。
新型コロナウイルスは、初期から中盤までは、暴露力(体内に入り込む力)は強いが、伝染力と毒性は弱く、かかっても多くの場合は無症状か風邪の症状程度で終わるおとなしいウイルスである。新型コロナは毒性が弱いため、生体が抗体を出すほどの外敵ではなく自然免疫での処理で十分と判断しているのではないかと解釈し、「なかなか獲得免疫が動き出さないが、その間に自然免疫が新型コロナを処理してしまい、治ってしまうことが多い」。
抗体検査では、ロンドンで16.7%、ニューヨークは12.3%、東京が0.1%だった。「これまで多くの人が新型コロナにすでに感染しているが、自然免疫でほとんどの人が治っている」という仮説に立って、抗体ができる前に治っているので、抗体陽性者が少ないと考られる。この仮説を用いれば、無症状のPCR陽性者が数多く発生している現状の説明もできる。第2波が来ても、自然免疫の強さは日本人にとって強い助けとなり、再び欧米より被害が軽くなるという考え方が成り立つ。
国民の少なくとも3割程度がすでに新型コロナの暴露を経験したとみられる。暴露率はいろいろやってみたが、30~45%が妥当だろう。そして、暴露した人の98%がステージ1かステージ2、すなわち無症状か風邪の症状で済む。すなわち自然免疫までで終了する。ではなぜ日本では死者数が少ないのか。みっつの要因が考えられる。
第1に暴露率だ。「高齢者の暴露率」は日本が10%、欧米が40%と設定してみた。第2に、自然免疫力。自然免疫で治る人の比率が欧米より日本人(アジア人)のほうが高く、その結果「軽症以上の発症比率」が低くなるが、抗体陽性率も低くなる。自然免疫力(特に細胞性免疫)の強化にBCGの日本株とロシア株が関与した可能性は高いとみている。第3は、「発症者死亡率」。日本は欧米に比べて低いと考えられる。理由としては、欧米人に比べて肥満も少なく血栓ができにくいことがある。
日本ではこれまでのところ、人口10万人に対し0.8人が亡くなっている。われわれは自然免疫の存在を重視しており、それを前提としたシミュレーションでは、新型コロナウイルスが現状の性格を維持する限り、どんなに広がっても10万人中3人以上、つまり全国で3800人以上死ぬことはなさそうだというのが、結論の一つだ。
一方、人口10万人に対して16人、全国で2万人強が自殺で亡くなっている。過去に景気が悪化したときは3万人を超えて10万人当たり24人になった。そうであれば、10万人対比で見て、新型コロナによって2人亡くなるのを防ぐために、景気悪化で8人の死者を増やすのかということになる。対策のメリットとデメリットのバランスを考えないといけないのではないか。
また、ステイホームによって肥満の人が増えると、新型コロナの感染リスクも血栓形成のリスクも高まる。社会活動の停止で暴露率は下がっても、感染率や重症化率が上がる。そうしたバランスも考える必要があるだろう。年齢やリスクに応じた対策を打つべきだということになります。
30歳未満では重症化リスクは限りなくゼロに近いのに、対面授業を行わないとかスポーツをさせないというのは誤った政策だと思う。対面での教育が行われず、オンライン教育のみにすることの弊害のほうがずっと大きい。平常に戻すべきだ。そして、そこで学生からPCR陽性者が出てもマスコミが騒がないことが重要だ。明らかな症状が複数の学生に現われる集団発生が起きてはじめて、報道を行い学級閉鎖を行えばいいのではないだろうか。
30~59歳も通常の経済活動を行ってよいはずだ。罹患した場合は症状に応じて自宅待機などを行い、集団発生すれば職場の閉鎖をすればよい。70歳以上の高齢者は流行している間は隔離的な生活を維持せざるをえないだろう。何度も言うが、感染リスクはある。しかし、2%未満の重症化リスクを減らせばいい。
第2波が来たと判断したら、最初にやるべきはPCR検査の拡大ではなく、ウイルスの遺伝子解析だ。従来と同じ型のものなのか、違うものが来たのかを判別することが重要だろう。感染者を捕まえて隔離することより、感染パターンを把握することが重要だ。
感染力が上がったのか、毒性が強まって死亡率が上昇するのか。それに応じて対策も変わる。感染7段階モデルのようなものを作っておくと、そうした議論をすることが可能になる。
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