「ビートたけしのTVタックル」8月26日(日)(11時55分から1時間)、参加してきました。テーマは『災害列島ニッポンに重要なのは“防衛費よりも防災費”!? 今こそ激甚災害に備えよ!!SP』です。出演した本人はいつもながらあまり見たくないのですが、26日のその時間、毎年恒例の「ビワコミ会議」に参加中です。ご覧になった皆さんのご意見、辛口、甘口、両方お待ちしています(微笑)。8月26日、今回も長いコメントですみません。
西日本豪雨をふまえて、災害対策について、「滋賀県の流域治水の先駆的な政策を紹介してほしい」という依頼でお受けしました。結果は、やはり東京局の編集、「猛暑」「サマータイム」「首都水没」のテーマが主でした。なかなか流域治水まで踏み込めませんでした。資料の提示も東京ばかりが中心でした。少しヒガミながらも(微笑)、最後に「防災省の必要性」を強調したのですが、収録なのでカットされているかもしれません・・・。
今回の岡山や広島・愛媛の水害被害は、川の中に治水ダムや砂防ダムをつくり施設を整備するだけでは守りきれないことがわかりました。しかし日本の法律制度では、「河川法」は川の中しか管理する権限がありません。「砂防法」も森林部やダムをつくる水系だけの管理です。人が住む流域や氾濫原を管理するという目的がはいっておりません。
それゆえ、ついつい治水ダムも砂防ダムも水害を防ぎ、被害を軽減する「手段」としての施設が重視され、「命を守る」という目的が軽視されがちです。「水防法」も「命を守る」という目的はなく「国民の安全」という抽象的な目的にとどまっています。
滋賀県での流域治水は、その目的に「どのような洪水にあっても、 ① 人命が失われることを避け (最優先)、 ② 生活再建が困難となる被害を避けることを目的」として、「自助・共助・公助が一体となって、川の中の対策に加えて川の外の対策を、総合的に進めていく治水」と明記しています。国政の縦割りの限界を意識して、河川法や水防法を取り込みながら、「人命が失われることを避ける」という「命を守る」ことを最優先としています。
滋賀県が自治体としてこれができたのは、国でいう縦割りの法律に横串をさすことができたからです。そして、目的を、住民目線で求められている「命を守る」を明示化しました。今、関西広域連合で関西全域での流域治水にとりかかろうとしていますが、これも広域自治体である関西広域連合の個性を活かそうとしています。
国という巨大な行政機構の中で、前例踏襲の強固な官僚制度の中では、「地震・津波・洪水・異常気象等から国民の命を守る」ことを目的とする「防災省」を設置することで、より効果的な災害対策をねり、面的に広げることができるはずです。今内閣府が避難計画を担当しているという方もいますが、内閣府の限界は、点と線に限られていて、すべての県、すべての市町村という面的な拡大をする自前の組織がないことです。自治体での災害対策をすすめてきて、国の動きがどうしても「ハード系の施設づくり」ばかりに重点がおかれているところからこの「構造的欠陥」に気付き、主張しています。
実は今回、「首都沈没」が強調されました。荒川や利根川の堤防が破壊されたらゼロメートル地帯で多い東京は深刻です。同じように、大阪も淀川や大和川が破堤したらやはり大変です。名古屋もそうです。日本の大都市は、海辺と大河川の下流部に位置していることが多いのです。2005年8月末に、アメリカの巨大ハリケーン、カトリーナに襲われ、ニューオーリンズなどで堤防が決壊し、市域の8割もが水没して1000人以上の死者がでましたが、東京や大阪、名古屋で大河川が決壊し、あるいは高潮堤防が破壊されたら、まさにカトリーナ以上の未曾有の被害が想定されます。
今回のような企画を、大阪局や名古屋局、福岡局など、各地域別にすすめてほしいです。
皆さんのご意見よろしくお願いします。今から「ビワコミ会議」参加です。