Facebook 2020年6月7日 離婚後の子どもの親権問題で養育費義務化の問題

6月2日、自民党女性活躍推進本部が、安倍総理に「養育費の支払い原則義務化」の要望をだされました。総理は「ひとり親の生活の安定、養育費に困難している子どもの生活を支援するのは大変重要だ。しっかり提言を受け止め、関係省庁の取り組みを加速する」と答えた。(またながいです)。

この要望書の元になっているのは、今年1月27日に、「NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事長の赤石千衣子さんや「認定NPO法人フローレンス」代表理事の駒崎弘樹さんたちが、森まさこ法務大臣に要望をした内容に則しています。この要望書には、「養育費取り立て」の法制化が目的で、「共同親権問題には発展させない」とクギがさされています。

7回の森まさこ法務大臣の「私的勉強会」を行い、中にはスウェーデンやフィンランドでの養育費支払い調査結果なども参考にしています。報告書は下記11ページ、かなりながいですが、興味のある皆さんには是非しっかり読んで欲しいです。当事者の皆さんは特に一字一句読んでください。

そしてあなたは今、当事者でないかもしれませんが、今の日本の民法では、いつあなたが当事者父母、祖父母になるかもしれませせん。子どもや孫に会えなくなるかもしれません。それも養育費支払いだけは義務化されて、、、。

http://www.moj.go.jp/content/001320710.pdf

まとめは下記です。①離婚時における養育費の取決めの確保がまず、問題となる。その後、②養育費が不払いとなった場合の支援・相談が必要となり、取立て・回収のために、③裁判手続・ADRを進めることになる。そして、この取立て・回収を効果的に行う観点から、④サービサーの活用や、⑤公的な取立て支援が問題となる。それでもなお不払いとなる事案については、⑥悪質な不払いとして制裁が問題となるとともに、最終的な砦として、⑦公的立替払も検討されることになる。併せて、養育費問題の解決については、⑧自治体と国との連携、⑨国民への周知・広報など。

私自身、昨年の7月に参議院議員に送り出していただいてから、子どもの貧困問題の背景にある片親家庭(特に母子家庭)の貧困問題、その背景にある離婚後の養育費支払い率の低さ(約4人に一人)を問題としてきました。

そして何よりもその背景にある離婚後の片親親権という日本独特の家族法問題(世界24ケ国調査で、先進国で片親親権は日本だけでした)、繰り返しくりかえし法務委員会で指摘して、合計16回の質問を行い、子どもたちの経済的、社会的、精神的福祉を確保するための「共同親権制度」を主張してきました。(報告書と嘉田由紀子HPでの公表、両方でフォローできます)。

北朝鮮拉致問題でお嬢さまを奪われ被害者である横田滋さんが一昨日亡くなられました。お嬢さんにひと目逢いたいという思いでの40数年、、、、、さぞかし無念だったろうと思います。心からご冥福をお祈りいたします。

同時に、過去何十年か日本国内では、「子ども拉致問題」が起きてきました。「妻」あるいは少数ですが「夫」による我が子の連れ去り。ある日突然我が子を配偶者から引き離し、子どもを連れ去り、しばらく隠れてから、裁判所で「継続性の原則」という、裁判実務慣習を悪用して「親権」を確保するという問題があとをたちません。連れ去り幇助のいわゆる人権派弁護士もたくさんおられます。確かにDVなどで、暴力夫や暴力妻から逃げ出さないといけないケースもあるでしょう。

ただこれまでの事例を見ると、冤罪DVもかなり隠されています。そもそもDVならDV防止法を発動させないといけません。それが不十分なまま、共同親権、両親親権は、DV配偶者から「か弱い女性がにげられなくなる」という懸念ばかりが社会的に強調されています。実は夫側から妻へのDVは、内閣府調査で24%、妻側から夫へのDVは17%、というデータもあります。か弱い妻だけではありません。

離婚後も共同親権なら、そもそも子ども連れ去りは起きないでしょう。それは法律違反、つまり犯罪になるからです。片親親権は、父子、母子の、夫と妻は離婚しても、本来切ることができない生物的な親子関係を否定して、親子生活の思い出も、親子の情愛も無視して、子どもの拉致を誘発しています。

そもそも「片親親権制度」の元、「あなたは親でない」と法的に規定され、親子関係を否定しながら、一方で、「養育費だけは法的義務として払え」というのは、公法として、また憲法の基本的人権としても許されるのでしょうか?

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59882520S0A600C2PP8000/

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