20200319東日本大震災復興特別委員会【確定稿】

令和二年三月十九日(木曜日)東日本大震災復興特別委員会

 

○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。少数会派にもお時間をいただき、ありがとうございます。
八分しかございませんので、かなりポイント絞って質問させていただきたいと思います。
まず、今日、ポイントとしては、リスクコミュニケーションにおける科学的データ、そして、そのコミュニケーションの結果、どこまで、言わば社会的に説得し、そして関係者が納得できるのかというそのプロセス等踏まえて質問させていただきたいと思います。
先ほど維新の石井さんがリスクコミュニケーションの理論は何かということを言っていらっしゃいましたけど、私、四十年間、環境汚染とそれに関わる今でいうリスクコミュニケーションをやってまいりまして、柱が二つあると思っております。
一つは、科学的な観測データなど数値で表せるものです。これについては、そこで言わば対話を活発にして、そして社会的な公平性、透明性を担保できる。もう一つは、それだけではなかなかコミュニケーションになりません。つまり、当事者が生活者であるのか、あるいは事業をしていらっしゃるのか、当事者の自己納得。それは、私は自分化、パーソナライゼーションと言っていますけれども、そのデータと、それから納得するための自分化のプロセス。これには共感ということが大変大事だろうと思います。この辺のところを柱にして、この後、大きく三つの分野から質問をさせていただきます。
一つは、去年の台風十九号で、残念ながら、せっかく集めたフレコンバッグが流されてしまいました。ここのところで放射能蓄積の影響について考えていただきたいんですけれども、今日、一つ資料をお出ししましたけれども、これは滋賀県が環境科学研究センターという県のセンターと一緒にベーシックな放射性物質の拡散、被曝経路を作りました。

大きくは大気。特に琵琶湖の場合には若狭湾、大変近い。一番近いところですと、流域の最先端から十三キロでございます。そういう近接地にあるので、万一の事故が起きたらどうなるか。大気の移流、拡散。それから、それが水の中に入ったらどうなるのか。河川や湖沼や、そして地下水。それが人に関わったらどうなるのか。飲料水、あるいは魚を食べたりする、そういうところでの食料。あるいは、直接触れることもございます。
こういう大きな大気の流れ、水の流れ、人への影響というものを基にしながら、次のページには、これも、二〇一一年の三月以降、もし同じような事故が琵琶湖で起きたらということで、魚食性魚類などを含めて、食物連鎖の中で、プランクトンから小さな魚、大きな魚というところで、言わば蓄積を基にした予測結果を出しました。

これで大変心配なのは、ビワマスというとっても大事な固有種で、そして食べておいしい魚ですけど、そこは数年間、言わば食品の基準値百ベクレルを超え続けてしまうということです。一方で、コイやフナなどは水色の部分です。それから、アユなどは年魚ということで基準値よりもはるかに低いという、そういうシミュレーション出させていただきました。
この辺のところを踏まえまして、まずはフレコンバッグの問題ですけれども、台風十九号では大型土のうが大量に流出してしまいました。そこで、環境省さんにお伺いしたいんですが、大型土のう流出による流出先周辺地域への放射能汚染の影響評価はどうなっているでしょうか。また、今後の自然災害に備えるために大型土のう再配置、また中間処理施設、どういうふうに運ぶのか。特に、このときに、私はかねがねハザードマップ、徹底したハザードマップ、それも川だけではなくて、土砂災害やあるいは内水も含めた徹底したハザードマップに基づいた形でこのフレコンバッグの安全な保存ということをお願いをしたいと思います。そこを環境省の方からお願いをいたします。

○副大臣(石原宏高君) 台風十九号により大型の土のう袋が流出した四か所の仮置場や回収場所周辺における環境省による空間線量率や水中の放射線物質濃度の測定を実施した結果は、環境への影響は確認をされておりません。しかしながら、こうした流出事案というのはあってはならないことで、大変遺憾であるというふうに考えております。
再発防止に向けて、環境省では、昨年の十二月から今年の二月まで、全ての仮置場を総点検をさせていただきました。総点検では、昨年十一月末時点で除去土壌等を保管していた七百六十五か所の仮置場を対象として、委員御指摘のハザードマップも参考にしながら、机上調査により河川の近傍、浸水想定区域、土砂災害警戒区域等に立地する仮置場三百二十二か所を抽出をいたしました。その上で、この抽出した三百二十二か所全てにおいて現地調査を行い、仮置場ごとに想定される災害事象、既往の対策内容等について整理をしまして、専門家の意見も踏まえて分析を行った結果、流出防止等対策が必要な仮置場は福島県内に十二か所あることが確認をされました。
これらの十二か所の仮置場について、環境省、福島県、関係市町村が連携、調整をし、除去土壌等の早期運搬、流出防護柵の設置といった対策内容の詳細を決定して、梅雨の時期が到来する前の五月までに対策を実施してまいりたいと思います。

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
本当に梅雨の前に手を打っていただくということ、大変心強いです。
一昨日、記者会見で今のことも発表していただいて、昨日新聞にも出ておりますので、一定程度、国民の皆さんも理解をしていただいていると思いますが、ここのところで、この後、中間貯蔵施設に運んだ後もどのように言わば安全に管理するかということもお願いをしたいと思います。
時間がございませんので、二点目ですけれども、放射能の蓄積についてのモニタリングについてお教えいただきたいんですけれども。
二〇〇一年の一月に環境省が設置されてから、来年、二十年目を迎えます。環境省のモニタリングのデータに対してどのような結果が出ているか、ちょっとお伺いをして、また続きは次回にまとめたいと思います。まず、環境省の政府参考人の方、お願いします。

○委員長(青木愛君) じゃ、その点だけ恐縮でございます、よろしくお願いします。

○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
環境省では、平成二十三年から福島県及びその周辺の公共用水域における放射性セシウム濃度のモニタリングを実施しており、例えば福島県の浜通り地区では河川、湖沼及び沿岸部の計百九地点において測定を実施しているところでございます。
水質濃度の経年変化につきましては、河川水質は二十九年度以降全ての地点において不検出、湖沼水質は平成二十四年度に最大値が百ベクレル・パー・リットルであったものが、直近の平成三十年度の測定では最大値が五・一ベクレル・パー・リットル、沿岸部の水質は調査開始以来全ての地点において不検出となっており、概して減少傾向であると承知しております。
また、底質濃度の経年変化についても、直近の平成三十年度の最大値とそれ以前の最大値を比べると、河川、湖沼及び沿岸部のいずれにおいても減少傾向であるところでございます。
これらのモニタリング結果は、環境省ホームページで公開するとともに、地方公共団体にも情報提供を行い、地方公共団体のホームページ等により地元関係者への情報発信に活用されているものと承知しております。

○嘉田由紀子君 ありがとうございました。
今後ともまた続けさせていただきます。

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