1月29日、馬淵澄夫さんと山本太郎さんが主宰する「消費税減税研究会」で、「リベラル保守という可能性」というテーマで中島岳志さん(東京工業大学)の講演を伺う。以前から中島さんの著作には注目してきました。私自身の政治的立場からも中島さんと共感するところ多く、大変刺激的な勉強会でした。中島さん自身も、2006年以降の嘉田の学者から政治家への動きに関心をもっていただいていたようです。今後のつながりが期待できる勉強会でした。
今の日本政治の構図を単純化すると「リスクを個人で担うか社会で担うか」という自己責任型の「金」の軸があります。安倍政権はリスク個人責任主義です。一方で、社会のあるべき価値観として、個人の多様性を認め寛容な社会を目指す「リベラル」か、権威主義的で家父長的な「パターナリスティック」かという軸があります。安倍政権は人の生き方や家族制度における多様性を認めない、権威主義的と言えます。
このような今の日本政治の構図を図に示した4っつの象限図の中で「リベラル・リスクの社会化」の第II象限は、今の野党的支持を表しています。一方で「パターナリスティック(権威主義的)・リスクの個人化」の第Ⅳ象限は、今の安倍政権の立ち位置をあらわしています。
今の日本人の政治意識をみると、第Ⅳ象限を支持する人は3割程度、第II象限を支持する人は2割程度で、圧倒的多数(無党派)の5割は無党派と言われ、いずれの象限にも分散している。野党による政権交代を実現するためには、無党派と言われる人たちに政治に関心を持ってもらって投票率をあげ、第II象限に意識を集約する「物語づくり」が必要という。
そのために税や経済の手段である「消費税5%」は、政策手段としてはわかりやすいが、そのことで、どんな社会を未来に目指すのか。その表現力、人びとの心にわかりやすくとどく、暮らし言葉での表現力が必要ではないか、と私自身は、自分が過去10数年にわたり実践してきた政治にまつわる物語づくりを踏まえて問題提起をさせてもらいました。結論はこれからです。