「知りたいという心を大切にすること」「教科書に書いてあることを信じない。常に疑いをもち本当はどうなっているのかという心を大切に」「つまり自分の目で物を見る、そして納得する、そこまであきらめない」。今日、ノーベル医学・生理学賞を受けられることが公表された京都大学特別教授の本庶佑さんの、日本の子どもたちへのメッセージです。10月1日。
本庶先生、おめでとうございます。大変な業績を残されておられた方であるのに、というか、そのような方だからこそか、とっても謙虚で、やさしくて、知事時代に二度ほど会合で同席させてもらったことがありますが、心から尊敬をしておりました。そして滋賀県の医療研究にも関心を寄せてくださっておりました。
2013年7月に滋賀医科大学に赴任下さった生理学の縣保年(あがたやすとし)教授は、本庶先生の研究の大事なお仲間とも伺いました。今回の受賞理由と同じテーマで「京都賞」を受賞なさった2016年、その対象となった研究業績に縣教授が大きく貢献したことを滋賀医科大学の塩田学長が「学長ブログ」で取り上げていました。
本庶先生は、「自分は医師ではないので、直接に患者さんを直せるわけではないけれど、基礎研究で成果がでたら、何百万人もの人のお役にたてる」とも言っておられました。本庶さんの発見により開発された「オプシーボ」により「命を救われた」という方の言葉が次々に語られています。世界中でどれほどの方が喜んでおられることでしょう。
今、日本の大学は、すぐに役立つ研究を、ということで基礎研究は大きく隅に追いやられています。今の政権になって、大学での運営予算、特に基礎研究予算はますますカットされています。知事退任後、2014年から山極総長から頼まれ、京大の運営委員をしながらその予算額の減少をみて愕然としました。
それが若い研究者の安定した研究条件を阻害しています。「5年毎の任期付研究職」ばかりで、安定した職が極めてかぎられています。今後20-30年後を考えたら、もっともっと基礎研究に政府としても力をいれていただき、若い研究者育てに心を砕いていただきたいと切望します。
7時のNHKニュースをみていたら、未来政治塾の塾生の奥野佳子さんの息子さんの京大医学部新一年生の奥野芳樹くんが、キャンパスでのインタビューに応えていました。ものおじしない、その感度はお母さんゆずり?!(失礼)。