「びわこ好きかい」という、びわこ大好きグループの皆さんをびわ湖辺ご案内。高島市マキノの「メタセコイア並木」、今津の「西友」さんでの「ひつまむし昼食」、「針江のかばた」訪問、そして最後は琵琶湖博物館、今週新規オープンした「樹冠トレイル」から琵琶湖展望、評判は上々でした!東は東京、西は大阪、遠路おこしいただいた50名の皆さん、ありがとうございました!私は最初から最後まで「バスガイド」!主催は大津市在住の澤田宗吾さんご夫妻。11月8日。また長いです(2000文字)。スミマセン。
マキノの「メタセコイヤ並木」は、最新のネット上での「全国紅葉名所ランキング」で3年連続トップ1に!マキノピックランドからマキノ高原へ約2.4kmにわたり、道の両側に植えられた約500本のメタセコイアが、11月下旬ごろから美しく色づきます。円錐型のメタコセイア並木とまっすぐに延びる道路が造り出す右左対照の景観が人気です。ただ、11月8日はまだちょっと早かったです。
高島に向かうバスの中では琵琶湖風景を右に見ながら、400万年の自然史や歴史文化等、琵琶湖博物館をゼロから企画してきた意味と背景等を解説。
その後、琵琶湖の湖魚をおいしく食べさせていただける今津の「西友」さんで、うなぎの「ひつまむし」をいただく。コアユの佃煮やエビ豆、氷魚の酢のものなど、ご馳走づくしでした。湖魚のおみやげもたくさん求めていただいたようです。またバスの中では、フナズシ用のニゴロブナや、ビワマスなど、琵琶湖固有種の話、それを捕獲し伝統的な食文化をつくってきた漁業者の話などを紹介しました。西友さん、ありがとうございました。
次は針江へ。家の中に湧水がわきだしている、針江の生活光景をみていただく。背景情報としてバスの中で移動中に針江のカバタが残されてきた歴史などを解説。昭和40年代以降、琵琶湖辺でも水道がはいり、各地で井戸や湧水などの自然の水使いは、行政からも「非近代的」「不衛生」として否定される傾向にあり、住民も「家が湿気る」「古臭い」「近代的でない」「貧乏くさい」などかなり自信を失っていました。
そのような中で、自然水の重要性を地元に訴える研究を広め、琵琶湖博物館でもカバタ展示を行い、また今森光彦さんのテレビでの映像発信などがあり、だんだん地元もカバタの価値を発見。そして生活の場に外部からのお客さんを受け入れてくれる「生水の郷」が地元有志のでて自主的につくられました。今日もグループ別に三宅進会長さんを中心に、地元で5人の方が案内下さいました。皆さん、カバタの水を口に含んでいただき、「おいしい」「まろやか」と絶賛。
琵琶湖博物館は、1時間しかないところを、事前にバスガイドトークで補完。現場ではゾウが闊歩していた「400万年の自然史の時代」から、縄文の貝塚から発見された自然に則したくらしぶり、丸子舟が行きかっていた物流基地としての琵琶湖や明治29年の琵琶湖洪水までの「文化史の時代」、そして最後の「環境展示」ではヨシ帯や「魚のゆりかご水田」など、琵琶湖辺の生き物と人のかかわり、また昭和39年の暮らし再現展示の「冨江家」の紹介。水族展示では、古代湖の魚などの生き物紹介。バイカルアザラシ君はエサの時間で見どころでした。アフリカマラウィ湖のムブナも湖辺の調査から「見る魚で地元では食べない」戦略などを紹介。
屋外の「樹冠トレイル」は、お天気が少しわるかったですが、縄文弥生時代の樹木が育った屋外展示の林の上を歩きながら、木々の葉の茂り方や鳥などの小動物の観察とともに、比良から比叡の山並みを望める眺望が売りの展示です。足元には漁師さんが営業するエリの姿も見えます。30年前、琵琶湖総合開発に伴う浚渫の土砂置き場で、「環境破壊の場に博物館か!?」と批判されてきましたが、植生の定着は早いです。
樹上にタワーをたてて、生き物の生態等を観察するという方法は25年ほど前の京大生態学研究センターの井上民二教授の発想に起源があります。井上さんは、ミツバチと花の「共進化」の専門家で『熱帯雨林の生態学』等の著書があります。花の蜜を吸う昆虫の口の形が花弁の形にあわせて進化をしてきたということを証明。高木の熱帯雨林の樹上で直接に観察したいと、30-40メートルの巨木の頂上付近にタワーをつくり横に橋をわたして観察場所をつくりました。
井上さんから最初その話を聞いた時にまさに私自身「度肝をぬかれた」ことを思いおこします。ただ、井上さんはその後、サラワク島に調査に行く途中、1997年に飛行機事故のため49歳で死去しました。「樹冠トレイル」では、探検部の先輩であった井上民二さんの紹介もさせてもらいました。
ということで、まる一日の琵琶湖案内になりました。琵琶湖博物館の出口には「さぁ、これからが本物の琵琶湖です」と表示をして、フィールドへの誘いである博物館ですが、今日は現場から博物館へ、と逆の紹介になりましたが、琵琶湖の価値を存分に知っていただけたら幸いです。私にとってもいろいろ質問タイムをあり、楽しい時間でした。お世話いただいた皆さん、どうもありがとうございました。