「流域を、柔らかく住みこなす」

新潟県の「潟環境研究所」での湿地再生の話に続いて、地元淀川水系、宇治川、桂川、木津川の3川合流点の22世紀へのデザインコンペで、巨椋池が復活!高橋裕東京大学名誉教授(2015年日本国際賞受賞者)による土木学会へのご寄付に基づき、土木学会内の横断的な有志による「22世紀の国づくりプロジェクト委員会」が発足し、そこでの優秀賞ということです。3月4日、早稲田大学西早稲田キャンパスでの発表会!行きたい!

巨椋池が干拓・完成したのが昭和16年(1941年)。20世紀・21世紀をこえて22世紀にむけての国土デザイン。びわ湖淀川上下流の治水・利水の関係構造の見直し、人間だけでなく、生き物も元気になってほしい。デンマークなど海外の事例では湿地再生は経済的にも地価があがり、エコツーリズムなど観光客もふえて地域経済も元気になっているところがたくさんあるとか。遠くをみて、デザインしていきたいですね、孫子のために。2月12日。

ちなみに新潟の大熊孝さんは、高橋裕さんのお弟子さんです。最近の新著『河川工学者三代は川をどう見てきたのか:安藝皎一、高橋裕、大熊孝と近代河川行政一五〇年』(篠原修、農文協、2018年)の大著の中で、ダムや大型施設などへの依存度の高い日本の河川行政の限界を今後の方向が河川工学者の思想性と日本国の中央政府の政策方針とのせめぎ合いの中で解説されています。景観学の権威、篠原修さんが精根こめて記録をたどりまとめた名著です。

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