『命をつなぐ政治を求めてー人口減少、災害多発時代に対する<新しい答え>』がようやく出版されました。知事時代にすすめてきた政策を自己検証したいと構想をねりはじめて2年、原稿を書き始めてまる1年。「命をつなぐ」の意味は、子どもが産まれ育ち、人生を幸せに大往生できる「人生の応援団」政策と、災害で命を失わない「防災・減災」政策をつないでいます。一般書店で入手可能です。もし、もしご興味がありましたらお読みください。そしてコメントをいただけると一層うれしいです。6月8日。また長いです(微笑)。
今日の京都新聞の見出しは「出生率1.42、3年連続減」という人口減少問題でした。今回の書で一番力をいれたのも1章の「人口減少に対する<新しい答え>」です。人口あたり出生率全国二位(合計特殊出生率では10位前後です)を達成した滋賀県から発信できることを、「近代化しても出生率が高い国(地域)は女性の有業率が高い」という比較社会学と、滋賀県としての独自の子育て・家族支援政策で解説しました。
経済も政治も男性中心で、「男は外、女は内」という伝統的な男女役割分担意識が強い国では女性たちが「仕事か家庭か」と二者択一を迫られて結局多くの女性が結婚や子育てをあきらめ、出生率が低くなるという現象があります。日本・韓国・ギリシャ・イタリア・スペイン等です。逆に女性の政治・社会参画、男性の家事育児参画が進んでいる「男女相互乗り入れ社会」では出生率は高くなります。イギリス・スウェーデン・フィンランド・オランダ・フランスなどの北ヨーロッパ地域です。また日本の場合には、男性の非正規雇用の多さが未婚率を高め、出生率を低めています。
それゆえ滋賀県では、まず女性に二者択一を迫らないよう、子育てと仕事が両立できる支援を「マザーズジョブステーション」をつくり進めてきました。結果、2012年から2017年の5年間に両立できる女性の数が4100名増えました。男性の非正規雇用を正規化するための雇用政策では、2010年から2015年にかけて約400名の正規雇用を実現しました。これは地域の中小企業の皆さんがサポーター企業になり、両者のマッチングを丁寧に進めてきた結果です。
2章は「格差社会と経済問題に対する<新しい答え>」として雇用政策とあわせて企業誘致は地域の魅力まるごと産業化としてブランド価値を高めた施策を紹介しました。3章は男性寿命が日本一となったのはなぜ?にはじまり「高齢化社会の不安に対する<新しい答え>」とし、在宅看取りの仕組みを中心に展開しました。4章は「災害多発不安に対する<新しい答え>」として、昨年の岡山県倉敷市真備町での浸水による「室内溺死被害」や愛媛県野村町での「ダム津波死者」などを出さないための、滋賀県でのダムだけに頼らない流域治水の考え方の重要性を訴えました。最近の三日月知事の大戸川ダム復活についても私なりの解釈を紹介しました。
5章は「原発依存社会に対する<新しい答え>」として3・11の福島事故の直後になぜ滋賀県知事として「卒原発」を訴えたのか、またその後、再生可能エネルギーを増加させて、いかに「原発ゼロ」を実現するか、と処方の提案をしました。琵琶湖自体も避難はできません。「電源の代わりはあるけれど琵琶湖の代わりはない」。それゆえ再生可能エネルギーを中心に、原発に依存しない社会づくりへのビジョンを示しました。
上の5章にわたる内容を柱に私なりの参議院選挙にむけての「国政へのビジョン」を「リンゴの木」イメージのリーフレットでまとめました。このリーフに、滋賀県内の4党で合意した「9項目の共通政策」、国の4党1会派でまとめた「13項目政策合意」の内容を組みこんで、最終の政策提案をまとめていきます。皆さん、ご意見がありましたら是非ともお声を寄せてください。