「マザーレイクフォーラム」「びわコミ会議」

今日も琵琶湖辺は晴れて暑いですが風は秋の風情。比良山も比叡山も美しい。琵琶湖辺で顔を洗い、琵琶湖水を一杯いただき「琵琶湖原人」としての私の朝が始まる。水は透明で美しい。橋板の下ににぎわっていた小魚のゴリの姿ももう見えません。台風で湖辺の柳の木の根元の砂が流され、地下にのびていた根がむき出しに!浜欠けの一種ですが、砂浜がやせ細ってしまいました。今日はびわこ成蹊スポーツ大学の遠泳日。朝から2キロの遠泳を全員が完遂。ご苦労さま!8月27日(また長いです)。

昨日8月26日(日)、大津市内で開かれた「マザーレイクフォーラム」「びわコミ会議」の速報です。事務局から詳しい報告があがると思いますが、一参加者としての感想から。

1972年から高度経済成長にあわせてはじまった琵琶湖総合開発。1997年まで25年間に、利水・治水・環境というみっつの目的をもって下水道整備や河川改修等ハード事業を中心に2兆円以上の投資があり、琵琶湖の多目的ダム化がほぼ完成し、利水充実で関西全域での渇水被害リスクは大きく減り、治水機能も高まりました。ここにはいろいろ批判もあり、議論はもちろん必要です。

 

7月8日の西日本豪雨の時に報告した通り、琵琶湖出口の洗堰の操作と近畿圏内のダムの連携操作で関西圏の治水リスクも大きく減りました。ただ、もちろん治水リスクはゼロではありません。温暖化の豪雨の中で、河川が溢れる外水氾濫、低地性や下水道氾濫による内水氾濫のリスクは相変わらず高いです。

一方、「環境」については、下水道整備等により河川の水質は改善されましたが、琵琶湖集水域の生活・農業・工業排水がすべて集まる琵琶湖については、まだまだ余談を許しません。そして何よりも、総合開発の時代に問題意識が弱かった、生態系問題については、毎年毎年予想されなかった出来事が起きており、研究も行政施策も追い付いていない状態です。

琵琶湖総合開発が終了直後の平成12年(2000年)に、滋賀県では「琵琶湖総合保全整備計画(マザーレイク21)」を制定し、2011年からの第二期計画では、行政以外の住民や企業者の参画を求めて、「暮らしと湖の関わりの再生」と「琵琶湖流域生態系の保全・再生」を二つの大きな柱としました。

実は「関わりの再生」を環境計画の柱に据えた時、実践をどうするか、責任者としていささか迷いがありました。しかし見事にこの「びわコミ会議」」がその心配を払拭してくれました。「マザーレークフォーラム・びわコミ会議」は、「関わりの再生」をめざして、年1回、琵琶湖大好き人間が一堂に会して、びわこへの「コミットメント(約束)」をかかげ、コミュニケーショーン(対話)を深め、あらたな「コミュニティづくり(地域)」を進めようという会合です。

朝一番のポイントは「指標で見る過去と現在」、佐藤祐一さんたちの力作です。「湖内」「湖辺域」「集水域・暮らし」のみっつの大カテゴリー、12のサブ項目の評価です。それぞれにデータ不足などで評価の難しいところもあるのですが、改善しているのは3項目しかありません。「琵琶湖のヨシ」「河川の水質」「環境と調査した農業」です。悪化しているのは「漁獲高」(魚と貝)、「底質」「水草」「野生生物」「一次産業」などの項目、これはかなり深刻です。特に生態系のバランスが崩れている要因は、温暖化の影響などもあり、県としても手がうちにくい項目です。

そういう中で、今回は「○○から見たびわ湖」のテーマで、14のチームがミニワークショップをひらき最後にまとめの意見交換。14の「○○」は、「文化」「うみのこ」「移住者」「釣り人」「世界農業遺産」「消費者」「世界の湖沼」「漁師」「水鳥」「淀川流域各河川リーダー」「水源の森」「外国人」「よそもの」「水草」です。

それぞれの紹介はまた事務局からの報告を待ちたいですが、私は世界農業遺産のグループで、「森から水田から琵琶湖までの琵琶湖の水系全体を歴史的に活用し、発展してきたびわ湖の生業(なりわい)は、狩猟採集時代から農耕、工業、情報システムが、今というこの時代に同時代に存在している人類史の縮図」としての琵琶湖システムの重要性を国際的に発信してほしい、と意見を述べました。ちょっと抽象度が高いですが・・・。わかりやすい活動としては「魚のゆりかご水田」や1000年続いてきたエリ漁業等です。

最後には、各人が来年にむけて「コミットメント(約束)」を出して、三日月知事も参加をして、琵琶湖周航の歌を合唱して幕をとじました。私のコミットメントは「第3回びわ湖音楽祭を今津で!」というものにしました。

長い時間をかけご準備いただいた皆さん、当日の運営協力いただいた皆さん、どうもご苦労さまでした。写真はフォーラム事務局や青田さん撮影写真をお借りしました。

今日は夕方、チームしが県議団主催の「水害多発時代の治水政策はいかにあるべきか?」です。新潟大学名誉教授の大熊孝さん、京都大学名誉教授の今本博健康さん、滋賀県立大学准教授の瀧健太郎さん、論客の皆さんです。午後6時30分からピアザ淡海207号室です。

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