Facebook 2019年10月5日 はじめての「首相所信表明演説」

私にとっては、はじめての「首相所信表明演説」を参議院議場で聞かせていただく。戦後新憲法の元で昭和22年に始まった国会として200回目、しかも令和時代最初の国会。確かに記念すべきタイミングと言えるだろう。ここでは三点からの意見を述べたい。10月5日。

まず1点目、参議院の議場では、首相演説の原稿はあらかじめ配布され、それを見ながら最前列で一言ひとこと聴き漏らさないようにと集中する。しかしヤジと拍手で聞き取りにくい!県議会などよりお行儀は悪そう(微笑)。

2点目は、拍手とヤジで賛否両論の空間分裂、議論の中身に耳を傾けながらも賛否の空気が議場を二分している。誰がどのようなヤジをとばしているのか、具体的に知りたい衝動にかられる。根深い価値観のズレがありそうだ。無所属議員としては戸惑いながらも本質的な政策議論への意欲が湧く。

3点目は、政策議論としては、演説の中身は項目羅列で、ツッコミどころ満載です。たとえば少子化を国難という。しかし、今の日本の少子化の原因は、1970年代から一貫して政権を担って来た自民党自身の女性蔑視の価値観と、家族政策の無策がつくってきたこと、どこまで自覚しているのだろうか?

また「多様性の尊重」という。「れいわ」で当選した舩後靖彦さんの当選を引き合いにだして「みんなちがってみんないい」と金子みすゞの詩を引用しながら多様性を認める社会をつくろうという。ここでは野党側のヤジは最高潮に!

人生の選択肢の多様性を認めず、「女は家庭に、男は外で」と男女性別役割を押し付け、結果として「女性の人生に仕事か家庭か」という二者択一を迫り、男性に「企業戦士」の滅私奉公の「24時間働けますか」という働き方を強要してきた、その結果の少子化です。その政策立案当事者は自民党政権そのものではないですか?

人は社会的存在です。そしてそれぞれの個人の歴史を背負っています。無意識の中で、自分の人生を選ばされたその時々の政策と価値観のなかでいきてきました。その過去の歴史をふりかえる反省なく、今だけのご都合主義で政策を論じることに「歴史的存在」としての人間観の欠如を感じます。やすやすと承服はしかねます。

所信表明では「一億総活躍」「国難としての少子化」「全世代型社会保障」「地方創生」「農産物輸出」「災害対策」「中小・小規模事業者」「経済最優先」「外交・安全保障」「地球儀を俯瞰する外交」「新時代のルールづくり」「憲法議論」がと表明されました。この国の新しい国創りのための憲法議論を、と締めくくりました。

国民の多くが今憲法議論の必要性を感じていません。それ以上に国家の根底である憲法議論をすすめるには、リーダーへの信頼が必須です。安部首相への信頼がどこまで積み重ねられているのでしょうか?たとえ「最長総理」になろうとも国民からの信頼は一朝一夕で回復できるものではないでしょう。

今国民が最も関心をもっている消費税、税制のあり方、格差問題、年金問題や、関西電力幹部をめぐる饗応問題など、とりあげられませんでした。今国会の議論として、参議院の少数会派でありますが「碧水会」として全力を尽くしてまいります。

      

#200回国会 #安倍総理所信表明演説 #国難としての少子化 #多様性 #参議院 #嘉田由紀子

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