Facebook 2014年8月28日

スイスのエネルギー政策、水辺環境と原発 (2) 原発立地地点は大量の流水と水力発電ダム近接、事故時の避難は自宅の地下シェルターへ。

スイスの五基の原発立地をみると、スイスアルプス沿いや閉鎖性水域である湖沼周辺には立地していない。

8月25日に意見交換を行ったスイス、グリーンピースメンバーの話だと、原発立地には大量の流水が冷却用に必要なので、アール川やライン川沿いの河川水量が多い地点が選ばれたという。

確かに日本では海辺立地が基本だが、内陸国では河川水量が当てにされる。プラス、現場に行ってわかったのは、水力発電ダムの直下に立地している原発が多い。ダム貯水の水量、プラス、すでに電線が設置されているので有利という。

ただ、スイスの水力発電の多くは100年近く経ていて老朽化しており、洪水などで破損しないか、と後から紹介するが、ベルン市のキューニさんは心配していた。原発と水力発電所、両方の老朽化が心配という。

世界の435基の原発を古い順に並べるとスイスはいずれも古い。それだけ初期から原発政策をすすめていたことになる。

そして五基の原発を人口密度マップにおとすと、50キロ圏内に人口の6割( 約480万人)が居住するという。福島原発事故以降、スイス国家としては、50キロ圏内を防護のためのヨウ素剤を配布する区域に指定したという。

しかし、いざ事故の時には、避難は「垂直避難」として、自宅の地下のシェルター(冷戦時代に地下に核シェルターをもつ家が多いという。自宅にシェルターがない場合には、行政が指定した建物に避難というが具体的にはまだ示されていないようだ) に逃げ込むことになっているという。

滝川さんの家はベルン市郊外で、ミューレベルク原発の30キロ圏内で、ヨウ素剤が配られたという。

( 写真 ① ベツナウ原発直上にある水力発電ダム、②ミューレベルク原発直上の水力発電ダム、③ 世界の原発の古さ別基数、④スイス、人口集中度と原発立地の関係、⑤事故時の放射性物質拡散シミュレーション、⑥スイス グリーンピースメンバーとの意見交換、⑦滝川家の配布されたヨウ素剤 、⑧防護説明書内に地下避難指示書

スイスのエネルギー政策と原発(3)

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