Facebook 2014年6月5日

「おじゃまします!知事です」(未来総括編 ①) 「アール・ブリュット施策の展開」

6月5日(木)、今日から来週にかけて「知事と語る滋賀の未来総括編」として「おじゃまします!知事です」を13回実施させていただくこととなりました。

二期8年間県政をお預かりした政策の総括を行うため、特筆できる政策成果に関係する団体や県民の皆さんを訪ね、滋賀の8つの未来戦略プロジェクトの成果をご報告するとともに、今後の課題や展望などを語りあい、滋賀の未来につなげていくことを目的としたものです。

今日はその初日です。午前中は「社会福祉法人 しがらき会信楽青年寮」関係者の皆さんを訪ねました。60年以上にわたり、信楽の皆さんとともに、障害のある方が地域で暮らし・働けるような施設運営を続けておられます。

まず、現在、陶芸の森 信楽産業展示館ギャラリーで開催中の「しがらきから吹いてくる風~日・台交流展~」を視察。この展示会は、しがらき会が台湾でアール・ブリュットの作品展を開催されたことがきっかけとなっています。日・台両国に加え、今回はタイからも 障がい者芸術家の作品が出展されます。

信楽がつないだ国境を越えたアール・ブリュット作品の競演です。アジアの拠点という構想については、私が2010年にフランス、アルサンピエールの美術館を訪ねた際に当時のフランスの文化担当大臣と覚書を交わしており、そういう意味でも今回の展示会を感慨深く鑑賞しました。

次に、会場を移して皆さんとの意見交換会。まず、私のほうから、澤田真一さんの作品と出会い、その魅力に惹かれ、アール・ブリュットの発信や全国的なネットワークの構築などに務めてきたこと。その一方で、1000年以上の時を超え、滋賀の地に受け継がれてきた仏教美術、あるいは近代美術館に蓄積されてきた100年の美、そして、アール・ブリュットの今生まれる美、この歴史的に重層化している滋賀ならではの美の世界を、新生美術館構想としてまとめたことなどを報告する。

その後、利用者で今回の展示会にも作品を出展されている酒井さんと大江さんからは、作品づくりをはじめたきっかけや思いを語ってもらいました。そして、林理事長はじめ青年寮のスタッフの皆さんからは、「それぞれの方がもっているおもしろい表現の本質を邪魔せずに引き出してサポートすることがよい作品づくりにつながる」「ものづくりから、人づくり、そして地域づくりへとつながるような支援を続けている」など、大変頼もしい発言をいただきました。

しがらき青年寮がこれまで培ってこられた文化的・福祉的な蓄積は滋賀県にとって大変大きな財産であること、改めて感じました。

新生美術館にとって大事な地元拠点ともなってもらえること、期待します。

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