Facebook 2014年6月11日

「おじゃまします 知事です」 (未来総括編 ④) 「みんなで森林を活用し、保全します」

6月10日(火)昼前、多賀町の高取山ふれあい公園に向かう。引き続き「おじゃまします!知事です」として、大滝山林組合の皆さんを訪問しました。

テーマは「みんなで森林を活用しながら保全する仕組みづくり」です。2006年の知事就任以降、力をいれてきた「やまのこ」の子ども森林体験事業や、「県産木材の利用促進」の両方の事業の成果をみせてもらいます。

ちょうど小学校4年生の森林環境学習「やまのこ」で来ていた子どもたちが木材に触れながら授業を受けているところも見学させていただきました。

なぜ森が必要なのか、琵琶湖と森のモデル実験なども通じて「森は水と空気のふるさと」であることを身体で学んでくれていました。

お昼には鹿肉弁当をいただく。増えすぎた鹿による獣害対策として、数を減らすだけでなく、食べることで需要も引き出そうと、鹿肉の料理開発を進めておられます。臭みもなく、固くもなく、おいしく味わわせていただきました。

昼食後、公園内に新築された宿泊施設棟へ移動。「すだれ梁」という構造を用いたアーチ形の建物で、中に入ると木の香りが溢れていました。山から下りてくる自然の涼しい風も心地よく感じながら、ここで多賀町の久保町長も交えて、大滝山林組合の皆さんと県産木材の利活用推進について意見交換を行いました。

大滝山林組合は、江戸時代に彦根藩の政策として、犬上川上流の山林地帯を入会林として共同利用されたのが始まりということで、一時は乱伐もあったことから、明治26年に計画的な山林利用を目的として組合が設立されました。100年以上の長い歴史をお持ちです。

現在の所有林は約2,400ヘクタールで、うち約820ヘクタールを直接管理されております。木材価格が低迷する中でも、自分たちの直営で植林し、伐採と素材生産、そして林産物の加工も含めて少しでも付加価値の高い「製品」を市場に出す取組をされています。

高取山ふれあい公園の管理運営もなさっています。環境学習「やまのこ」の受入れは8年目で、山の恵みとびわ湖の水の大切さを伝えていただいており、出張授業も含めると39校に対応されています。

子どもたちは「やまのこ」の翌年、5年生になると「うみのこ」(びわ湖フローティングスクール)があります。湖からも山の大切さを想ってくれれば、そして、それを大人にも伝えてくれれば嬉しいです。

県産材の活用に向けては、滋賀県としても「木材流通センター」を開設し、県内外の加工事業者に向けた安定供給のために必要な流通体制の整備の一環として、県も積極的な支援を行ってきました。

今後の課題、展望としては、子育て中に木のおもちゃや食器を活用する「木育」など、需要の喚起について『木づかいブック』という素敵な冊子も紹介しながら、多くの方が木材の価値へ目を向け、実際の利用につながるような取組や、新たな使い方の提案についても意見を交換しました。

多賀町や大滝山林組合の先駆的活動は、必ずや 滋賀県全域の森林保全と木材利用にむけてのモデルとなること、実感ができ、未来への希望をもつことができました。

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