Facebook 2014年5月21日

「司法は生きていた!」 大飯原発3・4号機再稼動差止め訴訟

画期的であり、感動的でさえある判決でした。福島事故の教訓がここまで活かされた、という意味で多くの被災者の方たちにとっても、納得のいく判決ではなかったでしょうか。夕方、報道各社からぶら下がり取材を受け、コメントをさせていただきました。

・安全性の補償のない原発について再稼動させないという判決は画期的である。二点ある。まず一点は、原発の重要性を認めながらも、原発は電源確保の手段のひとつであり、原発以上に生存権・人格権の優位性を認めたことだ。判決骨子ではこう表現している。

・「被告は大飯原発の稼動がコストの低減等になると主張するが、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わること自体、法的には許されないことである」と。

・また、二点目は人格権を認める地理的範囲を250キロメートルと決めたことです。これは福島での事故の経験から、万一の事故時に影響を受ける地理的範囲を想定したものです。

・判決骨子では、「原告らのうち、大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者は、大飯原発の運転によって人格権が侵害される具体的な危険があると認められるから、これらの原告らの請求を許容する」と。

・さらに、環境汚染問題についても以下のように明確にその重大性を指摘している。

・「被告は、原子力発電所の稼動が二酸化炭素の排出削減に資する旨主張するが、福島原発事故は我が国始まって以来最大の環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである」と。

・「被害地元」ではあるが、再稼動に対して立地自治体並みの権限がない滋賀県にとっても、今後、立地自治体並みの権限をまずは事業者との紳士協定である「安全協定」の中で求め、さらに、法的な権限が得られるよう、「被害地元」として新たな位置づけを求めていきます。そのための後ろ盾となる大変心強い判決でした。

・まだ判決の全文が入手できておりませんが、樋口英明裁判官の判決文、明日以降、入手できたらじっくり研究させてもらいたいと思います。

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