Facebook 2015年1月8日

びわスポ大客員教授、プロサッカー監督「佐々木則夫さん」が、サッカーは「ソーシャルな集団的知性がカギ」と、「なでしこジャパン」を優勝に導いた経験から特別講義。日本の女性はサッカーにむいているとも。

1月7日、佐々木則夫さんは、下のように講義。「佐々木流指導理念 イレブン」も示して下さる。

(1) サッカーこそ、集団的な「ソーシャル」な連携が重要。特に試合がはじまると、監督は何もできない。選手ひとりずつ、個々の主体的判断で動くしかない。それゆえ、集団的知性が大事だ。

(2)「世界を目指そう」というワールドカップでの優勝は実は2015年を目指して、2008年から監督となった。実際は2011年のワールドカップで優勝し、2012年ではロンドンオリンピックで銀メダルをとった。これは想定よりずっと早かった。なぜ進化して変化して獲得できたのか?

(3) そもそも日本では、女子サッカーの認知がなかった。男子サッカーの人気がでればでるほど、「女の子がサッカー?」と、人気が出なかった。女子サッカーの認知を高めたい、という一心ですすめてきた。最後まであきらめない。大きな舞台での成果を後輩にしめしたい。日本の女子は世界大会のなかで、身長ひくく体重少ない。体格が不利。

(4) しかし、日本女性の強味として、「スキルを学ぶ姿勢」「キックの精度」「スタッフから学ぶ協調性」「目配り、気配りができる」という特色が見えてきた。これはすごい!と、監督としてもだんだん自信をもってきた。特に、「攻守にアクションする」、集団としての「ゾーンディフェンス」が日本女性は得意。周囲を見ながら、予測し、カバーし、フルにパワーをもちこむ。雲行きを見る力、スペースの取り方、自分がどうであれ献身的にうごく。ともすれば自己的になりがちな男子と異なるところがある。

(5) それゆえ、監督やコーチの示唆や指導はだんだん少なくして、選手主導にしてきた。選手たち自身の話し合いを重視、基礎技術を教えると自分たちで工夫する。自分たちで話し合う。テクニカルスタッフ、メディカルスタッフ、全員が強いコミュニケーションの元で、連携できた。2011年のWCでのドイツ優勝選にその成果がでた。

(6) 2011年以降、「日本は女子のバルセロナ」「佐々木は、ハラハラドキドキさせる映画界のスピルバーグ」と称された。北京オリンピック後も横綱相撲ではなく、徹底して原点に戻り、女子としての価値観と使命感を重視してきた。今後も女子サッカーの場を広げ、後進の指導をやって行きたい。2015年のカナダのWCがあり、できたら8年後の2013年頃には日本でWCを誘致したい。

学生からの質問:男性指導と女性指導のちがいは?

佐々木回答:サッカーをしている高校生の娘の練習を見に行ったら、娘から女性と思わず、自分を飾らずに、男性と同じようにしてほしい、とアドバイスをもらった。率直に自分をだしたらいいと。それ以来、怖がらずに徹底した話し合いの中ですすめてきた。会話や意見の少ない男性に比較して、女性の方が反応があり、自分の意見を持っている場合が多い。それはいいところだと思う。

 

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