Facebook 2015年3月6日

「国際高等研究所」で講演、3月5日「リスク社会を生き抜く日本人の災害文化〜滋賀県知事としての脱ダム政策への挑戦から〜 」

京阪奈にある「国際高等研究所」で、月一回の「ゲーテ」にちなんで近代文明を見直す研究会で話題提供。

近代技術拡大に伴う技術者の水量強調の「要素還元主義」という思想と「省庁縦割り」制度が、河川のなかに水を閉じ込めダムなどのハード事業依存型の治水政策を広げてきた歴史的背景を説明。

もちろんハード事業の効果や必要性はあるが、それだけに頼るとハードで対応しきれない大災害が起きた時に「想定外」として、被害を拡大してしまう恐れがあることを事例をもって説明。

滋賀県での日本初とも言える、土地利用配慮や住宅耐水化、不動産取引時の水害リスク情報の提示を盛り込んだ「流域治水条例」になぜ8年もかかったのか?

特に地域での政治的パワーをもっている人たちの間で、土地を売る側、つまり土地所有者を代弁する力が強く、土地を求める側、つまり新住民や被害を受ける恐れのある未来世代を代弁する力が弱いことが知事時代に発見できたことも説明。

参加者は大学教員や民間企業の企画担当者などが多く、ヨーロッパやアメリカなど海外での居住経験者も多く、河川政策に埋め込まれた日本に顕著な技術思想について共感していただきました。

同時に、国も滋賀県の条例に近い考え方を以前からもっていた人が多いのですが、昨年7月には新しい治水として動き始めたことも伝えました。

 

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