Facebook 2014年9月23日

里山資本主義的考え方で、「地域経済を元気にする」未来政治塾 藻谷浩介さんの講義と嘉田との対談、9月21日。

未来政治塾の人気講師、今年で連続三年目の登場をいただいた藻谷さん。「マネー資本主義」と「里山資本主義」の「動機」「目標」「戦略」「手法」と、わかりやすく対比的に整理するところからはじめました。

写真にもあるように、「マネー資本主義」が経済活動の動機として、「自分が、いま、一番になる」という短期利益型に対して、「里山資本主義」は、「社会が滅びずに続いていく」という長期的な社会全体としての生存戦略に動機がある、という対比をしています。

それゆえ目標は「お金儲けの一番を目指して、際限なく稼ぎ、貯め込む」マネー資本主義に対して、後者では「代わりのない中継者になる=稼いでは回しバトンをつなぐ」。

戦略としては前者は「粗暴バージョン:他者/他集団から奪い取る」に対して、後者は「素朴バージョン:何でも自給自足する」。

そして前者では「知能バージョン:未来/次世代から搾取する(地下資源、水、土壌、大気、子供、絆)←借金や汚染物質を後世に残す」に対して後者では「循環・再生が可能な範囲でほどほどに稼ぎ、使う←使ったものは元に返す、←インフラと清浄な環境を残す」

ここまでくると、地域経済の問題が、まさに私たちの生き方=生活哲学=価値観の問題であることがわかってくると思います。

そして「手法」は、前者では「等価交換/金融投資、自由競争/リスクの個人化」、後者では「物々交換・贈与/実物経済、協働/リスクの社会化」となると、政治の在り方、政治思想、政治哲学に入り込んでくることになります。

とはいえ、「里山資本主義」ですべてをまかなえ、というわけではない。「衣食住」のかなりをマネーで入手というのは当然だし、行き過ぎた「マネー資本主義」の欠陥を補うサブシステム(保険)であり、資源+お金+善意を回して、地域経済を元気にする仕組みである、という主張です。

そして具体的な経済資源の動かし方として、「地域外に出て行くお金を減らす」経済システムとしては、「地域の中で受け取った人が地域内でまた使う」部分を大きくすることが地域の豊かさにつながり、それには「資本の内部留保や配当」を増やすのではなく、「給料」や「原材料」など地域供給できる部分を増やすこと、という結末になり、岩手県の住田町が地元の木材を活用して町役場をつくった事例を紹介いただきました。

そのあとの嘉田との対談では、滋賀県内の県民総生産、約6兆円のうち約5000億円が光熱費でそのうち約半分が電気代金として関西電力に支払うお金であり、3.11以降、省エネを1割以上すすめることでこの支出は1割ほど減らしたこと。しかし、滋賀県内では大規模製造業が多く、そこでの給与配分、つまり労働側への割合が低く、県民総生産を県民人数でわると東京に次いで全国二位であるのに、県民の個人所得は全国五位前後であることなどマクロの数字を紹介しました。

その中で、今後の滋賀県の経済戦略としては、いかに森林や農地、水、生き物などの地域資源を活用して、地域の中小企業の製品を地域でまわして、いくかが大切であることなど紹介しました。

嘉田県政時代に「地域魅力産業化」として「おいしが、うれしが」などの地産地消などを紹介しました。

そもそも「子育て」などはマネー資本主義思想下では最も忌避される人間活動なのでしょうね。次世代を育てないのですから・・・・・・。

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