Facebook 2014年11月12日

大阪で、アジアの水と経済、地球の未来「生命(命)の水」ビジネスを考えるシンポジウムに参加。講演とディスカッション。(長いです)。

11月11日(火)、東大の沖大幹さん、日本水フォーラムの竹村公太郎さん、作家・タレントの遥洋子さん、と私の4人が講演、その後のディスカッションに参加しました。

今、地球上には安全な水が確保できない人口が12億人もおります。一方で、地球温暖化の影響もあり、洪水は大型化し、同時に渇水被害もひろがっています。

そのような中で21世紀は水の世紀ともいわれ、水問題へのリスク対応が人類の生存に大きく影響する、ということで今回の会合を、公益財団法人「りそなアジア・オセアニア財団」と産経新聞社などが企画しました。

沖さんは水文学の立場から地球規模でのマクロな水の供給や需要の関係をとらえ、家庭・企業・政府が渇水や洪水へのリスクを正しく知って冷静に、バランスをもって備える必要性について訴えました。

私は、安全な飲み水を確保できないアジア・アフリカ地域での水汚染の主要原因はトイレのない地域でのし尿による水汚染であり、日本でかつて実践していた「し尿分離型の汲み取り便所」を改良した「エコトイレ」など、地域で利活用できるトイレづくりの必要性を特に女性の生活環境向上の立場もふくめ訴えました。

また昔の日本や、今のトンレサップ湖のように洪水があることを前提に土地利用の規制や嵩上げ住宅で洪水被害をふせぐ「洪水織り込み型治水」の意味と重要性から、滋賀県の流域治水条例の必要性や法的背景なども説明させていただきました。

竹村さんは、水に関するビジネスは利益を追求する私企業が大儲けできる分野ではなく、地域に愛着をもつ自治体職員が企業と連携しながら、アジア・アフリカ地域の支援に、高度にハイテクというよりは、アナログ的なちょっと昔の技術と経験を、愛着をもって粘り強く進めることが必要と訴えました。

遥さんは、生活者や女性の立場から、「大阪に住まいする住民として、水害で危ないというなら、危なくないところを教えて!」「途上国の女性がトイレがなくて学校にいけない現実など想像したことなかった。嘉田さん、マララさんのようにトイレ広める活動を国際的にやって!」「そもそも節水型のドラム式洗濯機は流れる水で洗わないと気がすまない日本には合わないのではないか?」など、たくさんのざん新な質問と見事な話術で会場を沸かせていました。質問についてはそれぞれこれも会場わかせる回答でした。

企業活動のところでは、竹村さんが言っているように愛着をもっている自治体職員や企業、研究者にプラスして、滋賀県では、「びわ湖モデル」として「住民活動経験」をとりいれ、今、台湾やベトナムへの水環境保全支援を始めたことを報告いたしました。

今週には、三日月知事がベトナムホーチミン市と協定をむすぶためにでかけます。数年かけて種をまいてきた県内企業と連携をしての途上国の水環境保全支援が滋賀県としてもうごきはじめています。

シンポジウムの結果は11月末頃の産経新聞に掲載される予定です。

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