Facebook 2016年2月25日

滋賀県庁で記者会見を行いました。2月24日。本日は、共同代表の中から岡田、浜田、野間、嘉田の四人がさんかしました。

「蛇口の向こうにトチノキ巨木林をみてください!」(長いです)

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「びわ湖源流の森林文化を守る会」設立趣意書
2016年2月24日

共同代表人 荒山里利(荒山林業)
共同代表人 岡田直紀(京都大学大学院)
共同代表人 嘉田由紀子
(びわこ成蹊スポーツ大学・前滋賀県知事)
共同代表人 野間直彦(滋賀県立大学)
共同代表人 野本寛一(民俗学者・文化功労者)
共同代表人 浜田久美子(森林作家)
共同代表人 山形健介(筆耕舎・元日本経済新聞編集員)

<趣意書>
「飲水思源」(ルビ:いんすいしげん)という言葉をご存じでしょうか。「水を飲む時には源を考える」「井戸水を使う時には井戸を掘った先人の苦労を忘れない」という中国・古来からの格言でもあります。いつの時代にも必要な社会人としての心がけと言えます。

私たちの暮らしは、朝一番の顔洗いから夜のお風呂、そして洗濯や衛生確保に水はなくてはならないものです。蛇口をひねったらいつでもどこでも水を手にいれられる今の暮らしに私たちは感謝をしたいと思います。特に関西では全人口の7割以上の1450万人が琵琶湖・淀川水系の水源に依存していますが、水質も比較的良好に維持され、渇水もほとんどない今の関西では、水源のことはついつい忘れがちです。

しかし今、その水源に新たな危機が迫っています。琵琶湖・淀川水系の北端にある安曇川・高時川・杉野川源流部では、西日本でも最大規模ともいえる樹齢数百年のトチノキなどの巨木林やブナ林が、水源涵養の役割を果たしてきました。そのトチノキの巨木が、今、装飾材などとしての利用を目的に伐採の危機にひんしています。伐採された場合は、琵琶湖・淀川水系だけでなく全国の巨木群の保全にとっても重大な悪影響が発生します。

これらの水源林は自然に放置されて残ったわけではありません。栃の実などを貴重な食料とする地元生活者による利用と保全があったからこそ、守られてきたのです。これら水源地域の森林と巨木群、森林と共生した暮らしとその文化は、次世代に引き継ぐべき極めて貴重な伝統です。
このように切迫する状況の中で、関西の命の水源である琵琶湖源流の巨樹・巨木林と森林文化の保全に向けて活動することを目的に、ここに「びわ湖源流の森林文化を守る会」の設立を呼び掛けさせていただきます。

当面の活動目標としては、杉野川源流部に残された大規模なトチノキ巨木林の伐採危機を回避するための活動に力を注ぎ、長期的には森林文化の次世代への継承を支援していきます。

<活動内容> 「蛇口のむこうにトチノキ巨木林を見てください!」

1 トチノキ巨木林や水源地域の生態系や生活文化・それらの価値を世論に訴えるための、基礎的な調査研究や広報交流活動をすすめます。

2 地元地域や行政組織と協力してトチノキ巨木林の観察会などを進める中で、下流都市部や次世代への巨木林や森林文化の価値の継承を図ってまいります。

3 当面は杉野川源流の巨木林における伐採回避のために必要な社会的支援活動を行います。

4 その他本会の趣旨を実現するための必要とされる活動をすすめますす。
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