Facebook 2015年10月21日

佐賀県で城春川ダム計画を考える目的の会合で講演。ダムだけに頼らない流域治水の可能性についてお話をしてきました。10月18日。

日曜日日帰りで、かねてから「いい川づくり」などでお世話になっている筑後川水問題研究会の田中秀子さんたちのお招きをいただき、「滋賀県流域治水条例はなぜ8年もかかったのか?~ダムに頼らない治水政策の巨大な壁をいっしょに考えましょう~」というタイトルで講演をさせてもらいました。

神崎市の会場では150名ほどの方が前半の90分の講演、また後半の質疑応答などに耳をかたむけていただきました。

滋賀県での流域治水条例の制定にむけての、社会的・法制度的、また技術的壁を前に、その壁を県職員や市町職員、住民、学者の皆さんと力を合わせて穴をあけてきた、その実践のプロセスについて8年間の知事時代の経験と、その前30年にわたる水環境史のフィールドワークについて詳しく話をさせていただきました。

また佐賀平野は江戸時代初期に、平野の利水と治水をトータルに考えて氾濫原の利用と管理をすすめ、佐賀平野を豊かな水田地帯として育てた成富兵庫茂安の、まさに今でいう「流域治水」の実践先進地でもあります。滋賀県や近畿からも学ばせてもらうことがたくさんあります。

昔の人の知恵と経験に学び、現代の土木技術を活かしてダムに頼らない治水ができるのが佐賀平野の強味でもあります。

また熊本の阿蘇山に計画・建設されつつある、白川上流の立野ダムや長崎県の石木ダムについても、地元の皆さんから、かなり積極的で説得的な説明もあり、大変有意義な会合ととなりました。皆さん、お世話になりましてありがとうございました。

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