Facebook 2015年10月23日

2017年フランス・ナント市で開催予定の障害者の芸術文化交流事業に滋賀県、日本から住民応援団を送り出そう!10月22日。(長いです)

ナント市の文化による町づくりは、日本でいう「地元学」と相通じる思想に基づいていることが、今回のエロー前市長の講演からわかりました。文化による町づくりの先駆者、ナント市を皆で訪問できるよう今から準備したいです。

10月18日の近江八幡での講演会。前フランス首相、前ナント市長であり、2017年にフランス・ナント市と日本で開催する障害者の芸術文化交流事業の顧問に就任されたジャン・マルク・エロー氏と、劇作家・演出家の平田オリザ氏。

会場となったヴォーリズ平和礼拝堂は約400名にのぼるお客様で埋め尽くされたということ、当日の様子を下記のnomaのHPでご覧下さい。

劇作家の平田オリザ氏が最初に「少数者が世界の見方を革新する」と題した講演。今の日本では、大人も子どもも生きづらい単一化した世界ではなく、重層性のある社会を作る必要があり、そのためには「少数者」の視点がキーとなるという。

アール・ブリュットについて平田氏は、「何かわたしたちと違うものを見ているから感動するのではなく、本来わたしたちが最初に見たものを描いているから感動する。直感的にすごいものを見た、見てはいけないものを見た、見ない振りをしていた、見えないようにしていたものを表現しているのではないか。私達が社会参加をしていくために見落としている、人間生活に重要な様々な要素を思い出させてくれるものではないか」という。見事な分析です。

また、滋賀県の文化振興条例の策定にかかわっていただいた平田氏は、「滋賀県は日本で初めて、文化振興条例で障害者の芸術活動を福祉政策ではなく文化政策に位置付けた最初の県。それを観光にまで結び付け、諸外国からも注目を集めている」とおほめをいただきました。(知事時代、「アール・ブリュットは文化だ」と強く主張し、実現には心をくだきましたが、評価いただきうれしいです)。

続くジャン・マルク・エロー氏の講演では、「2017 年ナント市でアール・ブリュットの大規模な展覧会を企画している。滋賀のアーティストにも来てもらうことになる。これは、日仏の大きなイベント。日仏共同事業になる」と力強く発言。

1989年以降、ナント市長就任当時は荒廃した都市であったナント市で市民の誰もが文化にアクセスできなければならないと考え、ビスケットの空き工場を文化センターに変えたり、クラシック音楽を身近に楽しめる「ラ・フォル・ジュルネ」などのイベント等を企画・発信。(3年前、私自身この文化センターを訪問。「ラ・フォル・ジュルネ」は滋賀県びわ湖ホールで5回開催しました)

これら政策によって、ナント市はまちの魅力を高め、多くの人を引き付け、文化で市民の誇りを取り戻すことを実現。文化政策による都市のブランドにより、ナント市は「いきいき」「ほほえむ」「気持ちいい」「新しいことをやる」「にぎやか」「活気」など良いイメージをもたれるような町に成長したということです。

平田さん、エローさんの講演を私は直接に聞けなかったのですが、講演をきいた水と文化研究会の小坂育子さんは、「エローさんの町づくりは、まさに滋賀県でもすすめてきた、ないものねだりではなく、あるものさがしの地元学だ」と言っておられました。

シャンソン歌手、バルバラさんの「ナントに雨が降る」(1983年発表)は、日本では加藤登紀子さんも歌っており、加藤さんもいっしょにナント市を訪問できたらいいな、と今、加藤さんにも呼び掛けています。

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