Facebook 2015年11月12日

びわスポ大学での特別授業、11月11日には写真家の今森光彦さんをお招きして、「今森光彦“里山ワールド”を極めてみよう!」と、比良や琵琶湖の魅力を思う存分語っていただきました。 (また長いです^_^)。

毎日のように大学キャンパスから見上げている比良山、大学入学直後の琵琶湖辺キャンプや比良登山、二年生の琵琶湖でのセーリングやカヌー体験。日々あたり前に見ているゆえに見えにくい比良や琵琶湖の魅力について、今年から客員教授をお願いしている今森光彦さんに思う存分語っていただきました。

まず、「自分が世界中歩きまわって写真家として仕事ができた、その基礎は中学校・高校時代の陸上競技で培われた体力、気力、集中力、そして負けん気や自己コントロールの力」と自己紹介。まさに人間としての基本的な力をスポーツが養ってくれるという。これまで30年近くおつきあいをしてきた私ですが今森さんが陸上選手だったとは知らなかった!それも400-800メートルの中距離ということ。以下、今森さんのお話のエッセンスです。

これまでインドネシアには50回以上、アマゾンなど38ケ国の辺境を訪問してきたが、いつも自分の中には「目盛り」があったという。それが湖西だと。この場所この環境は自分のものさしであり、雑木林やため池、水田、その中でも特に比良山は大事なものさしという。

比良山という独立峰はないが、たった1200メートルの武奈が岳には高校生時代によくのぼって昆虫世界にはまったと。特にここにしかいないシジミチョウやヒラサナエというトンボ。ルリボシヤンマは氷河期の生き残り、と言われている。比良山は生き物にとっても特殊な場所で、比叡山とも繋がっていない。

比叡は杉が多くて黒っぽいが、比良山は広葉樹が多くて四季感がある。そして、明るくて大きい、自分が最も好きな山という。

比良はきれいで、自分の写真の中でもとっても多くの比良が写っている。特に3つの楽しみ方がある。まず東側は、琵琶湖の対岸から見るのがかたまりとしてもきれい。裏の朽木側からは大きな山塊が舞い上がってストンとおちる。南からの堅田方面からは、まろやかな山で、蓬莱山が南側に盛り上がっている。この三つの楽しみ方が比良にはある。

といろいろ魅力を語ってもらった後、40枚の写真を紹介くださいました。この40枚のうちどれが一番自分にとって印象的か、またなぜ印象的だったのかその理由を自己洞察するように、という宿題を学生さんにだしました。

最後には、私がはいり、今森さんの最初の社会的発信となった「昆虫記」や、1995年に初版がでた「里山物語」など、ずらっと著作を並べての対談をさせていただきました。

特に今森さんは最近、仰木地区に5000坪の農地を購入をして「農家」になったということ。イノシシも入り込めないほど荒れて密集した竹林を切り拓いて里山の農地に戻そうという活動、是非とも野外活動や地元の農業に関心のあるスポ大の学生さんに参加をしてほしい、と呼びかけていただきました。

湖西を住まいの場所として、あるいは通学している学生さんは湖西線から、日々琵琶湖や比良山の風景を眺めておられますが、その風景の「見えないものを見えるように」という今回の講義の趣旨。どこまで学生さんが受け止めてくれたか、今感想文を集計中です。

 

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