Facebook 2016年5月29日

大津市在住の「里山写真家」今森光彦さんが、自ら「環境農家」になるべく大津市仰木の森林を拓き、農地の開拓をはじめました。びわこ成蹊スポーツ大学では「野外スポーツ特別授業」として今森開拓プロジェクトの竹伐り仕事から参加をはじめました。5月29日。大津市仰木にて。(また長いです)

滋賀県大津市生まれの今森さん。故郷の琵琶湖周辺の里山を舞台に、30年にわたり自然や人の暮らしを撮り続けている。1992年に発表した写真集『里山物語』 は、里山が注目を集めるきっかけとなった。琵琶湖畔の里山を舞台にしたNHKスペシャル「映像詩 里山」シリーズは、今森光彦さんが、大津市の仰木の棚田や高島市針江の川端の暮らしを紹介。日本だけでなく世界90カ国以上で放映され、大きな反響を呼んだ。

今森さんは30年近く前にアトリエを構えた大津市仰木(おおぎ)で、新たに自ら「農家」となって、若者が減り高齢者ばかりとなっている集落でまさに村人となり、里山再生に力を尽くしたいと決意した。昨年、2015年に2ヘクタールほどの放棄された農地を地元の方から分けていただき、農地の開拓を始めた。

今森さんいわく。「ぼくの農業のイメージはまさに“環境農家”。土地を拓き、そこで暮らす生き物を観察しながら、作物をそだて、昆虫や生き物との対話を重視する農家です」という。私は思わず思いおこした。60年近く昔、私の母も「名前のない草はない」と畑仕事をしながら娘の私に農業の価値を教えてくれた。自ら雑草を押し花にして名前を調べ「雑草図鑑」のようなものをつくっていた。(実はこれが子どもたちの夏休みの宿題に化けた!)。

びわこ成蹊スポーツ大学では、その今森光彦さんに、昨年から客員教授となっていただき、野外スポーツコースでの座学に加えて実践授業をお願いした。名付けて「里山再生・棚田再生・実習授業」。といってもまず始まったのはかつての水田や畑を覆い尽くした生命力いっぱいの竹伐りからです。今日は中野友博教授をリーダに16名の学生さんが竹伐りに挑戦!

まずノコギリで切れ目をいれて倒すが、その引っ張り出しが大変。まっすぐに素直に伸びたマダケは、引っ張り出すのに数名の力がいる!ラグビーをやっているAくん。「ラグビーよりもしんどい!」。大変な重労働だ。でも、小坂育子さんが差し入れしてくれた豚汁昼食をはさんで、午前と午後で5時間あまり。50本近く伐採したでしょうか。6月12日には次のグループが挑戦してくれます。

さて、この開拓しつつある森ですが、棚田の中心部にあり、北には比良山、南に比叡山、そして南に仰木の集落をのぞむ、風通しのよい見晴らしのよい高台です。近景、遠景、風景は抜群。竹を切り拓きながら残されたクヌギや柿、そしてエノキなど、まさに里山を好む昆虫の食草がたくさん現れています。

未来への夢を語る今森さんと、大学の学生さんの力をあわせて、里山再生という新しい大学のプロジェクトです。NHKさんが、経過を取材してくださり、来年頃には作品としてまとめられるようです。

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