Facebook 2015年11月28日

京都市内、東山中学校で「びわこの日」関連の特別授業「近代における人と琵琶湖のかかわりの変化」について講演、11月28日。

東山中学校は、京都市内東山永観堂近くにあり、すぐ横を琵琶湖疏水が流れています。中学生に、琵琶湖疏水からたどって琵琶湖の勉強をしてもらおうと企画された講演会です。

200名ほどの中学校1年生に、主に4点の話をさせて頂きました。

①明治中期の京都から都が東京にうつり、京都にげんきを取り戻すためにつくられた琵琶湖疏水の歴史、② 嘉田がなぜ琵琶湖研究を始めたのか?中学校時代の修学旅行での琵琶湖との出会い、大学時代のアフリカでの水の価値発見、琵琶湖や日本の水田農村の研究をすすめられたアメリカ留学時代、③琵琶湖の近代化の中で、利水や治水などの政策推進のかげで、魚や生き物の目線が忘れられてしまった開発の問題、④知事として取り組んだ生態系の再生や、琵琶湖と人々のかかわりの再生政策です。

中学校1年生とは思えない反応に驚くことしきり。たとえば「昭和30年代、琵琶湖の水を直接飲めたその理由は?」と尋ねると、「汚れたものを琵琶湖に流さないように、皆で協力していたからではないか」とそのものズバリのこたえ。

「あなたが魚のお母さんなら、卵を産み落とすときに気をつけることは?」と尋ねると「エサがある場所」「敵がいない場所」「安定した水がある場所」などと皆でこたえてくれました。

そこで水田やヨシ原が産卵にいかに重要な場所か、開発で失ってしまった水田の産卵場所としての機能回復を「魚のゆりかご水田」でおこなっていることなど、つたえました。

最後の質問コーナーでは「温暖化で琵琶湖が困ること」とこれまた重要な質問。これには「深い湖に特有の縦方向の水循環の仕組み」を説明し、冬の水温が下がり切らない暖冬では、湖底への酸素供給がしにくく、琵琶湖が低酸素化してしまい。息苦しくなってしまうこと、平成19年にその危機があったこと、をお伝えしました。

最後に教室に帰ってから、ゆりかご水田米のおにぎりを皆でにぎって頂きました。

4回にわたっての東山中学校のみなさんとの琵琶湖学習。ご協力いただいた奥田校長先生、松本教頭先生はじめ、皆様に感謝申し上げます。

 

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