2025年4月10日【法務委員会】確定稿

20250410 法務委員会(確定稿)

 

○嘉田由紀子君 日本維新の会、嘉田由紀子でございます。
十五分の時間をいただいておりますので、まず最初に、裁判所職員法の改正についてお伺いいたします。
この裁判所の合理化、効率化というのは必要だと理解をしておりますが、特に今現場の負担、混乱が生じないようなお願いをしたいと思います。新たなITシステムなどを導入したときには、現場職員が円滑に対応できるよう、研修、サポート体制の整備、不可欠と考えておりますけれども、最高裁の方では、そのような支援どうなっているでしょうか。お願いいたします。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
今回の減員につきましては、庁舎管理等の業務を行う技能労務職員等を対象とするものであり、定年等による退職に際して、アウトソーシングによる合理化等が可能かどうかを判断し、後任を不補充とするということによって生じた欠員でありますとか、既存業務の見直しに伴う事務の減少分等についての合理化によるものであります。そのため、減員によってデジタル化の推進を含めた裁判所の業務に影響が出るものではないというふうに考えております。
御指摘いただきました新しいシステムを導入する際の研修あるいはサポートということは、これは重要であるというふうに裁判所としても考えているところでございます。これまで、新たなシステムの導入に当たりましては、開発業者作成の操作マニュアルの配付に加えまして、業務に即したハンドブックを最高裁で作成、配付をし、また、職員がシステムの操作、運用に習熟するための研修を実施し、導入を進めてきたというところがございます。また、導入の前後を通じまして、職員からの問合せに対応するための必要な体制の整備も行ってまいりました。
今後の新システムの導入に当たりましても同様に、引き続き十分に配慮してまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。計画が実現できるようにお願いをしたいと思います。
この後は、日本の子供の幸せの問題について、毎回ですが、共同養育、共同親権について質問させていただきます。
新学期が始まりました。子供たちが通学する場面を見ておりますと、ああ、それぞれのお父さん、お母さん、けんかしないで元気でやっているかなと、ついつい老婆心というんでしょうか、親心が出てしまいます。というのも、三組に一組、日本は離婚をしておりますし、また、そのうちの七割が未成年の子供を抱えている。しかも、最近の離婚は、未就学児、学校入る前ですね、あるいは小学校という子供さんが大変多いんです。それぞれ三分の一、三分の一です。
そういう中で、入学式迎えても子供に会えない、つらいという声を日々私のところにも届いております。昨日も夕方、メールが入りました。子供と会えない親のつらさというのもこの共同養育、共同親権では少しは改善できるように、そうするためにも、昨年の五月に公布されました共同親権が選べる民法改正、現実性を持って、子供たちが両親から愛され続ける、そして自尊感情を持てるような日本の子供を育てていけたらと思います。
言うまでもなく、明治民法以来百二十七年、日本は親子の縁切り文化、単独親権を選んできたわけでございます。ここを新しい家族文化、縁つなぎ文化を広めるためにも私たちの法務委員会の役割は大変大きいと思っております。
そういう中で、まず、こども家庭庁さんにお伺いをしたいんですが、資料一としてお出ししております。
これは、令和七年度、新年度の離婚前後家庭支援事業(養育費確保支援パッケージ)の支援事業の内容でございます。百八十億円の内数の予算が確保されておりますけれども、こども家庭庁さん、まず、この事業の目的をできるだけ詳しく解説し、具体的にどのような内容なのか、共有をしていただけますか。お願いいたします。
○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。
先生お配りいただいています資料でございますが、離婚前後家庭支援事業は、離婚前後の家庭に対して、離婚が子供に与える影響、離婚後の生活や養育費、親子交流の取決めについて考える機会を提供すること、それから養育費の履行確保、親子交流の実施等に資する取組を実施することを目的といたしまして、自治体における相談員の配置、親支援講座の実施、養育費、親子交流の履行確保のための手続や費用の支援などの取組を補助する事業でございます。
令和七年度予算におきましては、離婚前の相談支援から離婚後の養育費確保、親子交流支援までを伴走型で一体的に提供できるよう、離婚前後家庭支援事業(養育費確保等支援パッケージ)といたしまして、これまでの事業の再編強化を図ったものでございます。
事業内容について資料上拡充となっておりますのは、離婚前後のカウンセリング支援及び外国語に対応した親支援講座、ガイダンス等を新たにパッケージに盛り込んで相談者の状況やニーズに応じた多様な支援ができるようにしたこと、それから、親子交流支援事業につきまして、支援対象を子供の十八歳到達後の三月末まで拡充し、頻度、期間は個々のケースに応じた対応を可能としたところでございます。
引き続き、離婚前後の父母や子供の福祉の向上が図られるよう、自治体の取組をしっかり支援してまいりたいと思います。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
自治体経営の経験者としては、国からの補助は大変有り難いんですが、半分、言わば裏負担がございます。ここでいきますと、二分の一ですね、都道府県、市、特別区、また福祉事務所設置町村とありますけれども、この今年度の予算に対してそれぞれ裏負担、自治体はちゃんと備えられているんでしょうか。事前に昨年度から打合せをしているのか、そしてどれくらいの自治体が参加しているのか、その辺り具体的に教えていただけますか。
○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。
国において各自治体における今年度の予算確保の状況を網羅的に把握してはおりませんが、今お尋ねがございました離婚前後家庭支援事業につきましては、令和元年度から離婚前後親支援モデル事業として先行的に一部自治体の取組を支援しておりまして、このモデル事業の実施自治体数は、最初、令和元年度が三自治体だったのが、年々増えまして、令和五年度は二百四十九自治体と拡大してきたところでございます。また、昨年、令和六年度には、モデル事業から、離婚前後親支援事業として全国的に実施可能な事業とし、当初予算に盛り込んでおりまして、さらに今年度は、先ほど申し上げましたように、離婚前後家庭支援事業として事業内容の拡充を図ったところでございます。
こども家庭庁といたしましては、必要な方が身近な地域で伴走的な支援や専門的な相談ができるようにしていくことが重要であると考えておりまして、支援ニーズや実施状況を把握しながら、各地域での事業の活用が進むよう、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○嘉田由紀子君 令和元年からモデル事業で、最初は三だったのが今二百四十九に昨年なったということは、大変実態が広がっているということで有り難いと思いますが、今年度はどれくらいの自治体が応募してくるんでしょうか。その数字はありますか。
○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。
申し訳ありません。現時点では把握しておりませんが、またお答えできるときになったらお答えさせていただければと思います。
○嘉田由紀子君 具体的に、今百八十億の内数ということですけど、一か所が四千万として、当初予算に入れていないと裏負担できませんよね。ですから、せめて全国で当初予算にどれくらいの自治体が入っているのか、そこはまた新たに調べてお願いいたします。
そして、この支援事業の括弧の中に養育費確保支援パッケージとあるんですけど、これはどういう意味ですか。
○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。
一人親家庭は、子育てと生計の担い手という二重の役割を一人で担っておられて、その生活は、育児の不安やストレス、仕事上の様々な不安、家事、家計管理の負担等、様々な困難に直面していると承知しております。中でも、一人親家庭の年収が非常に低く、養育費の受領率も非常に低いことを背景に、一人親家庭の生活の安定は重要な課題というふうに考えております。
このため、全体としては、子供家庭支援事業というふうに、離婚前後家庭支援事業というふうにしておりますが、養育費確保等支援パッケージといたしましたのは、これまでの事業の流れ、再編、拡充する前の事業の流れが分かりやすいようにということでこの事業名称を用いさせていただいたものでございます。
○嘉田由紀子君 具体的に、二百四十九、私、自治体の全部中身を調べさせていただいたんですけど、九割九分がこの養育費の話なんですね。親子交流のことは本当に一、二%です。ここまで、もちろん共同養育、共同親権にした理由の立法事実として、私も知事時代から、一人親の貧困問題、一人親だと二人親に比べて貧困率が七倍から八倍、大変問題です。けれども一方で、親子交流という、子供は親との精神的あるいは日常的なつながりを求めているわけですから、その部分がほとんど入っていないということ、ここは、こども家庭庁さん、自覚していただけますか。いかがでしょうか。
○政府参考人(源河真規子君) お答え申し上げます。
メニューとしては用意してございますが、どの事業に取り組むかは各自治体の判断でございますので、今この数字になっているんだというふうに把握をしております。
ただ、親子交流が大事だというのは私どもも認識しておりますので、引き続き、この取組が広がるように支援してまいりたいというふうに思います。
○嘉田由紀子君 法案整備のところでも、お金、養育費と親子交流は共同養育の両輪だと言ってまいりました。両輪ないと車は動かないんです、片肺では。その辺りは何としても、一人親にしないための方策がこの共同養育の法律の改変の狙いだということを改めて、こども家庭庁さん、主体として理解をしていただけたらと思います。
時間が迫っておりますので、民間団体への委託については、これは資格審査あるいは資格認定の仕組みがないようですので、これ、答弁よろしいです、時間がありませんので。この後、スクリーニングのための仕組みは是非つくっていただけたらと思います。
ちょっと海外の事例を紹介したいと思っているんですが、資料二を御覧ください。
これは、オーストラリアの共同養育、共同親権の導入した後の父母の養育分担時間、宿泊を基準にして出しているものでございます。
このグラフを見ていただきますと、一番多いのが、母、六六から八六、父、一四から三四%となっておりますけれども、父母がほぼ同じ時間を子供とシェアしているというのが九%あります。このカップルの間では養育費はほとんど発生しません。
ということで、今日も朝から古庄委員が、裁判所で大変、家事事件、時間掛かるということですけれども、このオーストラリアの場合、裁判で調整するのはたった三%です。残り九七%は、個別の夫婦が公的なサポートももらいながらこの合意をつくっているわけでございます。
そこで、民事局長さんに伺いたいんですが、日本の離婚夫婦が共同養育計画を作る場合、どのようなサポートが必要とお考えでしょうか。三月二十四日に、共同養育計画、ひな形を示してくださいましたけれども、日本での具体的な親子交流取決めの実効性を高めるための方法、御支援いただけますか。お願いします。
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
養育計画を適切に作成いただくために、法務省でもこれまで、パンフレットの作成ですとか、法務省ウェブサイト等での周知、広報の取組を続けてきたところでもあります。今後もこれは続けてまいりたいと考えております。
また、法務省では、令和六年度に離婚後の子の養育計画に関する調査研究業務を行っておりまして、その報告書等につきましては、内容の精査等ができ次第、法務省のホームページで公表する予定としております。本年度も養育計画に関する調査研究業務を予定しておりますので、引き続き、養育計画に関する検討を行ってまいりたいと考えております。
また、委員お尋ねの実効性の確保という点でございますが、幾つかの点があろうと思いますが、まず、公正証書を作成することですとか、あるいは当事者のみでは親子交流の実施が難しい場合には親子交流に関する支援を行っている団体等の支援を受けること、あるいは子の養育に関する支援事業を行っている自治体もございます。これらについては、先ほどこども家庭庁から御紹介がありましたような、離婚前後家庭支援事業の対象であると承知をしております。
このような事例については、こども家庭庁とも連携しながら横展開に取り組んでまいりたいと考えております。
○委員長(若松謙維君) 時間過ぎておりますので、おまとめください。
○嘉田由紀子君 はい。
時間になっておりますので、資料三以降、養育費算定表、それから、実は学校での問題、申し訳ありません、今日、文部科学省さんもお越しいただいているんですけれども、ちょっと時間切れてしまいましたので、次回に回させていただきます。
本当に、子供さんに会えない親御さんは特にこの新学期がつらいと言っておられる、そういう声は何としても、民事局、理解をしていただきたいと思います。以上、お願いです。
ありがとうございました。以上です。

▼当日使用資料

20250410法務委員委員会嘉田由紀子【資料】

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