5月31日、30日の参議院本会議を終わって急ぎ滋賀県へ。今年のトチノキは花のつき方がいいのでぜひ見にきてほしいと「巨木と水源の郷をまもる会」会長の小松明美さんから誘いがあり、高島市朽木のトチノキ巨木訪問に参加させていただきました。トチノキは琵琶湖の水源の水を生み出す巨木群の一種です。大阪や京都の上下流・流域連携に関心をもち、今、大阪・関西万博関連の芸術コーディネーターを務める「アートローグ」の鈴木大輔さんや、文化人類学者で動物と人間の関係性を研究する関西学院大学名誉教授の奥野卓司さん、編集達人の自然人、藍野裕之さんたちもお誘いしました。主催は日本熊森協会の兄弟組織の「日本奥山学会」です。日本熊森協会の室谷悠子代表も4歳のお子さんをつれて参加下さいました。主催してくださった「日本奥山学会」の奥津晶彦さんはじめ皆さんに感謝です。冷たい雨と風の中で、温かいトチ餅のぜんざいを準備いただいた河村さんはじめ皆さま、お世話になりありがとうございました。7月に近づく参議院選挙で嘉田由紀子の後継となってほしい岡屋きょうすけさんも参加下さいました。5月31日。(今日も長いです。2000文字)。



周囲はスギの人工林ですが、崖っぷちに毅然と巨大な根と幹で枝をささえる「平良(へら)の大トチ」は、神々しい存在で、思わず手を合わせてしまいました。所有はMさん家族で、今日、お嬢様がお姿を見せてくださいました。3年前に亡くなられたお父さまがずっと「この木を切ってはいけない」と言っておられたということ、お父様がトチノキの巨木の中にすんでいるようだと言っておられました。人の命はどう頑張っても100年とかですが、このトチノキは300年あるいは400年という年月、この崖に張り付いて生きてきたと思うと、やはり神々しい思いです。「いのち輝く未来社会のデザイン」という大阪万博の理念にふさわしい巨木ともいえます。



人工林の杉の根本の皮が大きくはがれた場所。室谷悠子さんが「クマがはいだ跡」と教えてくださる。春先の杉巨木の足元の皮の直下にはおいしい樹液があり、それを食すために皮をはぐという。しかも地域によってこの季節、杉の根本の樹液のおいしさを知らない熊集団もあるという。この季節、このおいしさは母親が子どもに教えるもので、まさに「クマの世代を超えた伝承文化」という。そのことを息子さんに伝える室谷さんの姿、写真でばっちり!!


大雨の中、休憩所では、室谷さん、小松さん、嘉田と三人で、2010年以来、現在までの高島市朽木や長浜市杉野で、トチノキ巨木が伐採業者に買い取られ、切られはじめてしまった、その後を追いながら、裁判闘争などを経て、保存トラストづくりのための寄付お願いなど、15年間に及ぶ「琵琶湖水源の森、トチノキ巨木保全トラストの歴史」を語らせていただきました。室谷さんは、中学生の時に奥山の熊がやせて死んでいくその姿に心を痛め、担任の先生にクマの暮らしと命を守れるようにと、弁護士になって熊がすめる奥山保全に命をかけてくれています。今、熊森協会は全国に21000人の会員さんがおられます。
私は元もと1980年代の琵琶湖博物館建設時、琵琶湖辺の縄文時代の遺跡の貝塚から貝の殻とまだ光輝くトチノミが出土したところに感動し、米が日本人の主食になる、琵琶湖辺なら2300年前のもっと前、トチノミはご先祖さまの主食だったということを知りました。そして花からはちみつがとれ、春の花と新緑から秋の紅葉、実利的に人の命の糧となり、同時に季節により美しい姿をみせるその有様から「欲張りの木」として大好きになりました。子どもを授かり最初につくった大津市比叡平の庭には、二本のトチノキを植えて、長男と次男、それぞれに「あなたそれぞれの木」と自分化しました。






今、国会議員として、日本の未来を考える時に、東京一局集中は潜在的危険と思っています。首都直下地震、富士山噴火、そんな時、関西を日本の副首都として元気づけることが日本が生き延びるための条件と思います。滋賀県知事時代に大阪府の橋下知事や京都府の山田知事とともに関西広域連合を提案しました。今回の大阪・関西万博はその大きな曲がり角になると国会から発信しています。関西でも東南海・南海トラフ地震の予測もあります。そこで大阪・関西万博の跡地は、「防災グリーンインフラ・環境づくり・文化発見・芸術振興・観光発信・学術振興」の欲張り拠点として、「いのち輝く未来社会のデザイン」の表現場所にできないか、と日本維新の会で提案してきました。
万博の場所、夢洲あたりは実は「関西フェニックス計画」で、二府四県、165自治体からの廃棄物を受け止めてもらった島です。それゆえ、さまざまなガスがでたり、ユスリカが出現したりします。だから子どもたちを連れて行くのは危険、と万博夢洲を批判する人たちもいます。しかし私たちの廃棄物を受け止めてくれているのが大阪湾岸です。この土地にまさに宮崎駿さんが提起した「風の谷のナウシカ」のように、腐海に生き物を取り戻す「夢洲ナウシカ計画」を提案したいです。ここで、科学技術文明と廃棄物、生き物の命めぐる学びの場をつくれたら、と鈴木さんたちとアイディアを膨らませています。皆さん、どう思われますか?ご意見ください。
