Facebook 2017年12月29日

海外の大学で学びたい高校生を、現役留学生が「仲間」として支える「留学フェローシップ」の「ミニキャンプ」が近江八幡・ラコリーナで開催された。「若者と女性が住みやすく働きやすいまち」にするにはどうするか、と半日の議論に私は最長老(?)として参加。自らの留学経験がいかにその後の人生を豊かにしてくれたか、知事としての仕事と留学や海外フィールドワークでの学びの関わり、近江八幡の町の個性等を紹介。12月28日。(また長いです)。

現在アメリカ・ハーバード大学の現役学生の高島俊輔さん(灘高校出身)が数年前に呼び掛けて、恩師や仲間を集めてはじめたNPO。「高島は海外の大学の方が成長できるよ」という先輩のひとことから海外留学を決意。その後のプロセスはすべて「自分」で決断、「自分」で行動、そして「自分」との向き合いの徹底だったと。

この経験サイクルを全国の高校生に届けたいとこれまで4年間で5000人ほどを巻き込むミニキャンプや留学キャラバン等を開催。実際に留学した仲間は1年間50人、これまで200名ほどになるという。総務省などが「飛びたて日本」などで留学生支援を行っていますが、完全に民間で、しかも大学生自身が運営している、という意気ごみに感動して参加しました。

今回のミニキャンプは滋賀県米原高校出身の森雅貴さんたちが2泊3日で主催。森さんと琵琶湖漁師修業中の駒井健也さんから呼びかけていただきました。全国から高校生20名と大学生10名に応援団の大人たちが参加。近江八幡で活動するアクティブサポータは以下の人たち。八幡自慢で「住みやすい町」のヒントをだし、その後、高校生たちが車座になって討論。

北川さん:左義長祭りで燃える町衆
宮村さん:古い酒蔵を活用した町家倶楽部の再生
駒井さん:琵琶湖の漁師という生き方に憧れて
田口さん:居心地のよい場所をつくるには
間宮さん:市役所商工政策からの町づくり
廣部さん:北の庄で農業をはじめる(100人農業女子プロジェクト)

それぞれにたいへん迫力のある、実体験に根差したお話で感動的でした。私自身は、21歳の時の、電気もガスも水道もないアフリカでのフィールドワークの経験から水と人間の共生研究をしたいとアメリカに留学。そこで学んだことはふたつ。環境共生のモデルは日本にあること。また新婚で留学をして最初の子どもを身ごもった時の社会心理学の先生のカウンセリングで「あなた自身は一日のうち23時間は自分で研究、社会参加、納税者になりなさい。その納税で、社会で子育てを支えてもらいなさい」とアドバイスをされ、それが仕事と子育ての両立の精神的指針になった、と解説。

今回の会議の何よりの感動は、皆さんのお話をその場で絵にする「ファシリテーション・グラフィック」の手法です。古林拓也さんと有賀ゆうさんが組んで、発言をその場で即興に絵にして、相互理解をふかめるツールとし、最後にまとめにもっていく。ポストイットで文字でまとめるKJ法のグラフィック版という感じです。いくつか絵をお見せします。

個人別発表は「想像市民議会」と名付け、似顔絵と主張に強弱をつけて、色をぬって表現。そして最後の結論、近江八幡が住みやすいのは「皆で支える仕組み」「家と家族」「祭りと町」「働く場」「多様な在り方」という5つの方向にまとまりました。

会場となった冬のラコリーナ。藤森昭信さんの遊び心と、たねやの山本社長の挑戦魂が交差して生み出されたお菓子の館。夏の草いきれのするむんむんとした緑いっぱいの草屋根や田んぼが今は枯葉色に!前庭のオカメ笹も緑がかった枯葉色の落ち着いた空間に・・・。今回の会場は本社「銅屋根」屋形の3F。内部の壁はしっくいで柱はむき出しの丸太。自由な発想を産みだしてくれる居心地のよい空間でした。

お世話いただいた皆さん、ありがとうございました。

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