Facebook 2021年11月23日 「流域治水がひらく川と人との関係」が出版されました。

「流域治水がひらく川と人との関係」が出版されました(編集・制作:農文協)。
この本は単に昨年7月4日の球磨川水害の報告書ではありません。今後どこでも起こりうる同様の水害の事例として球磨川流域で何が起こったかを取り上げ、皆様が住む流域で安全に住みづつけるためには、どのような治水対策が必要なのかをすべての個人、集落、自治体、国に考えていただくための本です。国も流域治水の必要性を認識し流域治水関連法(特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律)を施行することを決めていましたが、球磨川は間に合いませんでした。今なぜ流域治水なのか?。。。その答えは球磨川流域の山間部か農村部、都市部までの被災状況をみれば明らかです。しかし、国の言う流域治水は、山間部には砂防ダムを増設し、川にはダムを建設し、川には堤防や宅地嵩上げで対処しようとするコンクリート対策から未だに脱却しようとしません。それで、本当に防げるならいいのですが、それでは無理だったことを今回の水害で実感しています。
今回の水害の特徴は支流から水が溢れてきたという証言がとても多いことです。今回の水害で山では何が起こったのか、そしてそれは砂防ダムで防げるものなのか。谷や川に集まった水を制御するだけで防げるものなのか。・・一人一人の方に、自分がどんな流域のどんなところに住み、そこで安全に住み続けるためには、どこを見て、何を考えるべきなのか、自分で気が付かないといけないことにこの本は気づかせてくれると思います。
私も山の問題を報告させていただいています。現場を見てきた流域住民の報告だけでなく、今回だけでなく多くの水害を見てきた研究者、専門家が、今後の水害対策の在り方を分かりやすく説明しています。是非読んでください。
私のところに置いてありますので、郵送してほしい方はメッセージ下さい。また、アマゾンでも購入できます。お近くの方は取りに来てください。(定価:税込み2420円)
【内容】
第1章 2020年7月4日球磨川水害(嘉田由紀子)
第2章 何が生死を分けたか
 ・瀬戸石ダムと森林の影響を考える(つる詳子)
 ・球磨村からの報告【市花由紀子)
 ・人吉盆地の実態調査から何を学んだのか。(木本雅己)
第3章 球磨川水害と流域治水(島谷幸宏)
第4章 「流域治水」の歴史的背景、滋賀県の経験と日本全体での実装化に向けて(嘉田由紀子)
第5章 流域治水に求められる専門家の視点
 ・民衆の知恵・水害防備林を見直そう(大熊孝)
 ・人命優先の流域治水には地域主権改革が必要(宮本博)
 ・治水のあり方から考えるる流域治水の重要性と球磨川水系
  河川整備計画への提言(今本博健)
※アマゾン:https://www.amazon.co.jp/%E6…/dp/4540212168/ref=sr_1_1…
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