Facebook 2021年10月7日 真鍋淑郎さん(90歳)のノーベル賞受賞をうけて

地球温暖化の科学的背景を独創的に研究してきた真鍋淑郎さん(90歳)のノーベル賞受賞をうけての記者会見「周囲と強調的関係を結ぶことを求める日本ではなく、私は自由に好きなことができるアメリカに行った」と。
鳥取県智頭町の「サドベリースクール」の挑戦を映画化した「屋根の上に吹く風は」を本日、東京東中野の「ポレポレ映画館」で見ました。両者に共通する哲学、それは「学びは自由と好奇心から」という、いたって基本的な考え方でした。10月6日、偶然にも真鍋さんの哲学とサドベリースクールの哲学に共通の思いをみました。周囲との協調性ばかりを強調する日本の教育理念は未来破壊的ではないでしょうか。10月6日。また長いです(2000文字、スミマセン)。
真鍋淑郎さんが、地球物理学的手法で、大気環境と海洋科学をつないだ研究を進めてきたのは1970年代から。1981年に琵琶湖研究所が始まった時に同僚の地球物理学者で琵琶湖モデルを開発していた大西行雄さんから、「真鍋さんというすっごい科学者がいるが、日本の研究環境になじめずアメリカに帰化してしまった」と聞いていました。大西さんは真鍋さんのような独自研究を琵琶湖で実現しようと琵琶湖研究所に志願してこられたコンピュータモデルを駆使する地球物理学者でした。研究の独創性をおおいに学ばせていただきました。
真鍋さんは今日のNHKやTBSのTV記者会見で、「日本人は協調的な関係を結ぼうとして自由な研究がしにくい」「私は協調して生きる事ができないのでアメリカに帰化した」「最近の日本の研究は好奇心を原動力にした研究が以前より少なくなっている」「日本の教育をどう改善するか考えてくれることを切に願います」「日本では科学者が政策決定者に助言するための手段が限られている」「科学と政策決定者をつなぐチャンネルがない。コミュニケーションがない」。
真鍋さん自身、1997年に帰国して宇宙開発事業団と海洋科学技術センターによる共同プロジェクトの領域長に就任したが、当時の科学技術庁の官僚から難色を示され、辞任をしたという。日本の省庁中心の、視野限定的な縦割り行政が学術研究を阻害している、と当時「頭脳流出」として問題となりました。
最近の例では、日本学術会議のメンバー6名を菅元総理が拒否をして、その説明も全くなされていない。日本の学術世界と政治との「大きな深いミゾ」は、近年一層深まっているように思えます。政治が科学を信頼していない。政治が科学を強権的に支配しようとしている。環境問題やエネルギー問題、科学としてもまだまだ未知の世界です。政治支配は、人類の未来への危機でもあります。日本の将来が心配です。
「屋根の上に吹く風は」は浅田さかえさんが監督・撮影・編集した自主配信の映画です。今日、映画を見た後、浅田さんのトークをうかがい、直接にお話しもできました。浅田さかえさんはもともと広告代理店でCM制作など、ディレクターとして映像制作をしてきました。旦那さんが鳥取県出身で、たまたま鳥取県の「森のようちえん」と「サドベリースクール」の話を聞いて、自分が経験した義務教育と全く違う学びに衝撃を受け、直感的に面白い、と思い自らカメラをまわしてまる1年。春夏秋冬の「サドベリースクール」の日常を記録、編集、そして映画に仕上げたということ。
「授業も、テストも、クラスもない」学校。遊びだって生き方だって、自分で考え、自分で決める。子どもと大人の自由と葛藤の一年を追ったドキュメンタリー。そんな学校がなりたつの?監督の浅田さん自身、三か月くらいまでは、「これでいいのかな?」と疑問をもつこともあったようですが、一年を追いかけるうちに納得。授業はなく、子どもたちは朝からゲームや屋根のぼりに夢中。何よりも山と川と田んぼと四季折々の自然に囲まれて子どもたちの活動は幅がひろがります。
「屋根のぼり」がここでは自由の象徴。屋根にのぼる綱をもって、まわりから応援の声。こわいこわいと思いながら屋根にのぼった時の感動。「風がきもちいい!」。そして上った屋根からとびおりる。それも怖い。一から十までかぞえて、思い切って、飛び降りる。時としてケガをする。なぜケガをしたのか、みんなで徹底的に話しあう。ケガをしない方法を考える。
大人の指導者を選ぶのも子どもたち自身。「選挙」をして、その選挙の仕方も徹底的にはなしあって、きめていく。子どもたちはいつも話し合いをして、対立しながらも出口をさがす。「自由ってなんだろう」「自分の自由は相手に不自由かもしれない」「自分のやりたいは相手のやりたくない」「案外、自由ってむずかしい」。
ノーベル賞受賞者の真鍋さんと、サドベリースクールの子どもたちの言葉が不思議と重なりました。そしてサドベリースクールのはじまりは、「智頭町森のようちえんまるたんぼう」の挑戦。創立者の西村早栄子さんたちが、森のようちえんの「卒園後の次のステップ」を探す中で出会ったのがアメリカにあるサドベリースクール。「評価なし、先生なし、カリキュラムなし、テストなし」。子どもをひとりの人として尊重する。2014年にはじまった。このあとの子どもたちの日々の暮らしぶりは是非とも映画をみてください。
東京東中野ポレポレでの映画会は10月いっぱいということ。10月31日の衆議院選挙がおわったら、11月には特別国会がはじまります。是非とも超党派の国会議員による「フリースクール議連」などの皆さんにも見ていただけるよう手配したいです。国の教育の未来の方向性を、国会議員の皆さんが考える場所ができたら、と願います。
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