Facebook 2017年4月17日

「琵琶湖周航の歌」の英語版があるのをご存じですか。実は、ご両親が滋賀県生まれ、ハワイ生まれのオノ・フィルバートさんが2006年に英文に翻訳。その後、滋賀県で英語教師として滞在していたトンプソンさんご姉妹が歌い吹き込んでCD化されています。その英文での再披露が晴天の今津港で再現されました。4月16日。(また長いです:微笑)

まずは英文での周航の歌、お楽しみください。トンプソンさんご姉妹は周航の歌Tシャツに身をつつみ、今津港の周航歌碑の横で、まさに琵琶湖・竹生島を背景に、讃美歌風の、穏やかなBiwako Rowing Song をご披露下さいました。世界で初めて「琵琶湖ヨシ笛」を考案、演奏してきた菊井了さんたちも参加してくださり、見事なハーモニーでした!

今年の6月30日の「びわ湖音楽祭」での放映用に、びわ湖放送さんの取材もお願いしました。またオノさんも、次のCD化にむけて録音なさっておられました。新聞記者さんや地元の愛好者に加えて、周航の歌を広めておられる長浜のLefaの北川さんや京大ボート部OBの伊藤さんなども参加下さり、広がりがでました。

そもそもオノさんが「琵琶湖周航の歌」に出会ったのは、諏訪湖畔での小口太郎の歌碑が最初だったということ。それまでも滋賀県の文化や自然に魅せられていたオノさんにとっては、なぜ琵琶湖周航の歌碑が諏訪湖畔にあるのかと疑問に思ったということ。歌の意味や小口太郎の人生を辿り、歌の奥深さにひかれ、英語での翻訳に挑戦したという。

できた英語版は、一見簡単そうに見えますが、簡単な表現や単語を思い付くまでには大変な時間と検討を要したということです。オノさんの解説文から一部、そのご苦労を紹介します。(「琵琶湖周航の歌 英文」で検索下さい。)

1 「一つの単語が複数の意味と対訳」があること、森はWoodsかForestか?

2 原文の意味が理解できないと、正確な翻訳は不可能です。竹生島の「珊瑚の宮」はpalace(宮殿)ではなく、shrineと訳しました。

3 意味にも曲にも合わせて調子を合せなければならない。日本語歌詞は7・5調となっている。「われはうみのこ」は7音節、「さすらいの」は5音節。英文歌詞も音節数をなるべく7・5調に合わせる。たとえば「松は緑に砂白き」の7・5調は、”Green pines on white sands”の5つの音節にという調子です。歌の英語版作りの難しさが込められています。

私自身が英文の琵琶湖周航の歌に出会ったのは、今からもう10年近く前、2007年10月20日でした。「湖づくりボートフェスタ(雄琴オーパル)」が「第27回全国豊かな海づくり大会」プレイベントとして開催されました。そこに滋賀県知事として飛び入り参加をして、一緒に英語で歌いました。その時、オノさんが、「知事が英語を歌う!」と言って喜んで下さいました。

まさに10年ぶりにオノさんとトンプソンさんに再会し、英文の琵琶湖周航の歌にふれて、改めて、この歌の国際性に思いをめぐらし、2020年の東京オリパラ、また2021年の関西ワールドマスターズゲームズにむけて、一層、文化的多様化をめざしていけたら、覚悟を新たにしました。6月30日の「びわ湖音楽祭」でも本日の映像を披露させていただきます。

本日の会合をご準備いただいたオノさん、また琵琶湖周航の歌資料館の村井館長さんはじめ、皆さんに感謝申し上げます。

先頭に戻る