Facebook 2018年7月9日

今回の大雨被害、琵琶湖水位も75センチとまだ高いですが、洗堰も全開放流で、少しづつ下がりつつあります。今回被害をうけられた皆さまにお見舞い申し上げますとともに、1日も早い回復をお祈りいたします。洗堰操作をめぐるMSGに1161名の「いいね」、400名の「シェア」、あの長文をシェアいただき、感動しております。関心を持っていただいた皆さんに感謝です。今後も琵琶湖・淀川の上下流連携について、ご意見を発信し続けてください。さて、治水にもかかわっているダム問題です。7月9日、今回も長いです(ごめんなさい)。

「ほたるの川のまもりびと」「水の底より今の故郷」「ごく普通の暮らしをごく普通にしたい」。なぜわが故郷を「必要性が説明できないダム建設」で奪われないといけないのか?長崎県佐世保近くの川棚町「こうばる(川原)地区」に計画されている「石木ダム」地域のものがたり映画の公開。東京・渋谷での公開トークに参加。活動支援をしているパタゴニアの辻井隆行日本支社長さんと対談。滋賀県でも近いうちに映写会を計画します。今日、7月9日午後3時、長崎地方裁判所でこうばるの人たちによる「事業認定取り消し訴訟」の判決があります。

「ダムには何でも反対するのか」と滋賀県内の大戸川ダム問題をかかえて、イデオロギー的な批判をいただいているので、あまりダム問題で発言したくなかったのですが、これほどのムダで必要性のないダムは、ダム建設費用を今後60年間払い続けさせられる未来世代、孫子世代を冒涜しています。やむにやまれず、声をあげています。もちろん、必要性の高い、税金投入の意味があるダムには反対しません。でもこの「石木ダム」は知れば知るほど不合理で説明がつかないダムです。

この5月6・7・8日に現場訪問をして、FB上でも詳しく報告をさせていただきました。イデオロギーでの反対ではありません。あくまでも、「普通の生活者」として、孫子世代に幸せで安心できる、そしてこれ以上、必要性の低い公共事業の財政負担で孫子を苦しめたくない、持続可能な、そして生存可能な日本社会を残すために、日本の未来を愛する普通の人として発言します。

「石木ダム」、1962年に計画されて56年。佐世保市民の水が足らないという「利水」。すでに人口減少で水あまり。佐世保市と長崎県は不自然な水需要増大のグラフを意図的につくって30キロも離れた「こうばる」から水をうばいとろうとしている。「不安定取水」を「安定取水」にという言葉上の言い訳で、実態を無視した机上計画で利水事業をごり押しする。結果、佐世保市民の水道料金は値上げが懸念される。

下流川棚町の水害を防ぐ、という「治水」。「100年に一度の水害をふせぐ」という。地元で現場をみて驚いた。川棚町の中心部、確かに過去、何度も水についたという。地元の商店の人にきいた。でも川からの氾濫ではなく、内水氾濫で水がついた、と地元では知っている。その場所をダム建設では防ぎきれません。無理筋の話です。

「こうばる」地区の皆さんも、下流の人に役立つ、必要性の高いダムなら自分たちが犠牲になってもいいと思ったこともあるという。でも、何とも理由がたたない。自分たちがふるさとを捨てる理由がない。500億円を越える巨額の税金をいれる理由がない。長崎県民の税金だけでない、「全く関係ない」と思っている、東京都民も滋賀県民からも、国税「補助金」がはいる。佐世保市民の水道料金もあがる。

今回の辻井隆行さんとのトークでは、株式会社パタゴニアとしては、石木ダム問題の支援に加えて、今回の集中豪雨の要因にもなっている気候変動の問題にも力を入れて下さる、ということです。特に「石炭火力発電所建設見直し」「正しい自然エネルギーの普及支援」「環境再生型農業」など頼もしい決意をいただきました。

映画会は、このあと、7月11日には津田大介さん、7月13日にはいとうせいこうさん、7月16日には堀潤さん、7月22日にはアーサー・ビナードさんのトークと映画観賞があります。渋谷「ユーロスペース」です。関東圏域の皆さん、渋谷駅から歩いて10分。Googleマップで探しながら行ってください。私でも行けました!渋谷駅道元坂界隈のディープな町もおもしろかったです(微笑)。

 

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