Facebook 2020年5月10日 「新型コロナ自粛」からの出口を(その4)

。国政と地方自治の違い、がんばる知事たちと比べ、安倍政権の国際評価は23ケ国中最下位。緊急事態宣言の解除の条件を5月4日に国がださなかったので、大阪府の吉村知事は三つの指標、①経路不明な感染者数、②陽性率、③重症病床使用率を示し、この条件が7日間続いたら段階的に解除と表明した。大阪では今のところ、この条件が3日間満たされている。「医療確保」をしながら「経済と暮らしを守る」「大阪モデル」を実現しようとしています。(2000文字、また長いです、スミマセン)。

滋賀県では、三日月知事も頑張っています。5月5日に、図書館や博物館などを5月11日から、感染症対策を施すことを条件に、利用可能と宣言。感染者も減少し、経路不明の感染者もしばらく発生しておらず、PCRの陽性率は大きく改善し、0.6%まで下がった。何よりも県民の皆さんにとって心配な、いざ感染したら入院できるという病床利用率も3割弱で、滞在可能なホテルのベッド数も確保された。

今日、5月10日には、西村経済再生大臣が、13の特定警戒都道府県以外の34県について「緊急事態宣言の解除も視野に入ってきている」と表明したが、滋賀県のように、多くの県ではすでにその方向で具体的に動いています。鳥取県等では、5月7日から学校も再開しています。東京大学の御厨貴さんが、全国の知事のガバナンスの評価をしておりますが、大阪府や鳥取県などは高い評価です。国民意見も近いのではないでしょうか。

それにくらべて、なぜ国の対策が後手後手にまわっていて動きにくいのか。私自身、野党無所属ではありますが、国会議員としてもどかしさいことばかりです。まず3月13日に国会を通った「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律」です。これには反対しました。経済活動など私権制限をするのにその保障などが不十分だったからです。吉村大阪府知事は「ポンコツ法律」と揶揄しています。でも圧倒的数の与党と多くの野党の賛成で通りました。

あの時、国民民主党は「消費税減税5%」「10万円給付」「(奨学金)返済猶予」の3点セットで家計と消費部門をあたため、経済恐慌をのりこえる「30兆円予算」を提案しましたが、かないませんでした。「10万円給付」はその後、4月16日に公明党など与党の要望で実現した。

法律の立て付けの不足が今、地方の苦しみにつながっています。経済活動を制限したらとたん収入がゼロになり家賃も払えない人や学生さんも増えるなどのイメージがわかない国会議員が多かったのです。自治体の市長や知事など、責任ある政治経験をへて、国会にきた人が極めて少ないことがあげられるでしょう。「寄らば大樹の陰」の議員ばかり。その大樹が腐っているのに。

では、なぜ知事たちが動けるのか。理由はふたつです。ひとつは、知事は直接選挙で住民から選ばれる「大統領制」で住民の顔が見えて権限も強い。二つ目は、医療から教育、経済まで、特定の縦割り政策ではなく、全体に横串をさして「命と暮らしを守るための総合的決断」が出来る立場です。

一方、国政では間接的な議員内閣制、しかも霞が関の縦割り組織で、専門委員会構成なども感染症対策中心で、経済や危機管理の専門家がはいらず横串がさせない。委員選びから総理大臣のリーダーシップが発揮できていない。ただ知事たちの間でも、国の方ばかりをみて独自判断ができず、出遅れている人もいます。知事のガバナンス評価をした東京大学の御厨貴さんは、都道府県の知事が、これほど中央に影響力をもった時代は現代日本政治史上なかったと言います。最終的には政権交代しない限り、新型コロナウイルス問題の収拾は難しいかもしれないとさえ言っています。

ただ、国政レベルでもうまくリーダーシップをとっている国は多いです。シンガポールの調査会社とフランスの調査会社が共同で世界23カ国での調査。それぞれの指導者の新型コロナウイルス対応の評価を尋ねた国際比較調査では日本は最下位です。日本の感染者数、死者数は世界との比較では決して多いわけではないが、安倍晋三首相らの指導力に対する日本国民の厳しい評価が浮き彫りになりました。「政治」「経済」「地域社会」「メディア」の4分野で指導者評価を指数化した。日本は全4分野のいずれも最下位で、総合指数も最低だった。

具体的には、政治分野では、日本で安倍政権の対応を高く評価した人の割合は全体の5%にとどまり、中国(86%)、ベトナム(82%)、ニュージーランド(67%)などに大きく劣った。日本に次いで低かったのは香港(11%)で、フランス(14%)が続いた。世界平均は40%で、感染者・死者ともに世界最多の米国は32%、韓国は21%だった。調査会社の最高経営責任者(CEO)は「日本の低評価は、緊急事態宣言の遅れなどで安倍政権の対応に批判が続いていることと合致している。コロナウイルスの指導力のストレステスト(特別検査)で落第した」と分析。

そんな中で、検察官の定年延長を可能とする法律、法務大臣が「口頭決裁」という前例のない判断で出された法案が今提案されています。「三権分立」の原則を壊すことへの危機感を共有していきたいです。皆さんのご意見はいかがでしょうか?

コロナ対策政権評価 日本最下位 知事の活躍 大統領性 横串政策

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020050800721&g=int

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